薬剤師の3人に2人は転職経験あり|95人データの現実

薬剤師の3人に2人は転職している|95人データが示す転職のリアル
この記事でわかること
  • 薬剤師95人のうち、転職経験者は何人だったか(実数つき)
  • 転職0回・1回・2回以上の内訳と、そこから見える「薬剤師の転職の当たり前」
  • なぜ薬剤師はこんなに転職するのか(辞めたい理由データから読み解く)
  • 2回転職した管理薬剤師が「辞める前にやってほしい」と思うこと

「転職を繰り返すのって、自分だけなんじゃないか」

夜勤明けの帰り道に、ふとそう思ったことはないでしょうか。

私も病院薬剤師だった頃、まさに同じことを考えていました。

結論から言うと、それは思い込みです。

私たちがクラウドワークスで薬剤師95人に聞いたところ、転職経験がある人は64人。ちょうど3人に2人でした。

この記事では、その95人データの中身を正直に見ていきます。

そのうえで、2回転職してきた私自身の体験から、「辞めたい」と思ったときに何から手をつければいいのかを話します。

※本記事のデータは2026年5月に実施した薬剤師アンケート(有効回答95人)に基づきます。

この記事を書いた人
  • 大学病院レジデント→中核病院→調剤薬局と2回転職
  • 5社以上の転職エージェントを利用
  • 年収380万円台から700万円台の管理薬剤師に
  • 育児と仕事の両立を心がける35歳
  • 詳しい運営者情報は「こちら」

       てつん

目次

薬剤師の3人に2人は転職経験あり|95人データの現実

まず、一番伝えたい数字から出します。転職経験を聞いた設問で、「1回以上ある」と答えたのは95人中64人。割合にして67.4%でした。

薬剤師95人中64人(67.4%)が転職経験あり=ほぼ3人に2人

この数字、多いと感じますか。それとも「まあそんなものか」でしょうか。私は集計を見たとき、正直ほっとしました。転職を繰り返してきた自分が、業界の中でそんなに変わり者ではなかったと分かったからです。

薬剤師は国家資格で守られています。だから一つの職場に骨を埋める人ばかり、というイメージを持たれがちです。でも実際のデータは逆でした。

資格があるからこそ、合わないと思ったら次に動ける。それが3人に2人という数字に表れています。

てつん

「転職ばかりして、履歴書が汚れないかな」。私も昔はそう気にしていました。
でも薬剤師の世界では、転職はむしろ普通のこと。気にしすぎなくて大丈夫でした。

今回の95人は、30代が約半数を占める働き盛りの層です。子育てや親の介護、引っ越しといったライフイベントが重なる年代でもあります。そのタイミングで職場を見直す人が多いのは、自然なことなのかもしれません。

まずは、この95人アンケートの全体像を先にざっと知っておくと、この記事の数字も飲み込みやすくなります。年収・働き方・満足度まで一気にまとめた記事があるので、置いておきますね。

転職1回が最多、2回以上も4人に1人だった

「転職経験あり67.4%」の中身を、もう少し分解します。回数別に聞いた結果がこちらです。

転職回数人数割合
0回31人32.6%
1回39人41.1%
2回以上25人26.3%

一番多いのは「1回」で41.1%。転職を一度は経験している人が、単独で最多グループでした。

そして注目してほしいのが「2回以上」の26.3%です。4人に1人が、複数回の転職を経験していることになります。

逆に、転職ゼロの人は32.6%。3人に1人はずっと同じ職場、という見方もできます。

ここは正直に書いておきたいところで、「転職しないのがダメ」という話ではありません。

動かない選択も、立派な一つの答えです。

ただ、こうやって数字で並べると景色が変わりませんか。転職2回の自分を「多いかな」と思っていたけれど、同じ立場の人が4人に1人いる。1回の人まで含めれば、周りの3人に2人が経験者。孤独じゃなかったんだ、と思えるはずです。

てつん

私はレジデントを終えて中核病院、そこから調剤薬局へと動きました。数えると転職2回。
この95人でいえば「2回以上」の26.3%グループの、わりと典型例なんですよね。

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なぜ薬剤師はこんなに転職するのか

3人に2人が転職経験ありという数字の背景には、「辞めたい」と思った経験の多さがあります。同じアンケートで聞いたところ、こんな結果でした。

「辞めたい」と思った経験
  • よくある+たまにある+ほとんどない=93.7%(一度でも思った経験あり)
  • 「全くない」と答えたのは、わずか6.3%

「辞めたい」と一度も思ったことがない人は、100人いれば6人だけ。裏を返せば、ほとんどの薬剤師が一度は職場を辞めることを頭によぎらせています。その一部が、実際の転職に踏み切っているわけです。

では、何がきっかけで「辞めたい」と思うのか。理由の1位は、意外にもお金ではありませんでした。

順位辞めたい理由割合
1位人間関係49.4%
2位年収が低い34.8%
3位仕事内容33.7%

1位は「人間関係」で49.4%。2位の「年収が低い」を約15ポイント上回りました。薬局や病院は、少人数の閉じた空間で長時間を過ごす職場です。合わない人が一人いるだけで、毎日が重くなる。その息苦しさが、転職の一番の引き金になっていました。

もう一つ見逃せないのが、4位に入った「将来性」の30.3%です。

薬剤師は資格職なので安泰、と言われがちですが、現場の3人に1人は先行きに不安を感じていました。自由記述にも、調剤報酬改定のたびに現場の負担が増えることや、経営の方向性が見えないことへの不安が並んでいました。

人間関係で「今がつらい」と、将来性で「この先が不安」。この2つが重なったとき、人は転職を本気で考え始めます。3人に2人が経験者という数字は、こうした複数の不安が積み重なった結果でもあるんですよね。

この「人間関係が理由の1位」という結果は、それだけで一本の記事になるくらい深い話です。

詳しく知りたい方は、辞めたい理由TOP5をまとめた記事も読んでみてください。

もう一つ添えておきたいのが、満足度のデータです。同じ95人に今の職場の満足度を聞くと、「満足以上」は50.6%。半分の人は満足していて、半分の人は普通か不満、という結果でした。「みんな不満だらけで辞めている」わけではないんですね。

満足度が職場によってどう変わるのかは、年収満足度ランキングの記事で職場別に掘り下げています。「どの職場なら満足度が高いのか」を知りたい人は、こちらが参考になります。

私自身、すでに2回転職しています

データばかり並べても実感がわかないと思うので、自分の話をします。冒頭でも触れたとおり、私は2回転職してきました。

大学病院のレジデントを終え、地元の中核病院へ。そこから今の調剤薬局へ、という流れです。

特に病院から調剤薬局へ移るときは、ずいぶん迷いました。

病院薬剤師としてのプライドがあったし、「調剤に行くのは逃げなんじゃないか」という後ろめたさもあったんです。周りに堂々と言えない感覚が、しばらく消えませんでした。

結果からいうと、その転職で年収はキャリア初期と比べて大きく上がりました。

そして何より、後悔はゼロです。病院で身につけた知識は、調剤の現場でもしっかり武器になっています。

てつん

あのとき「逃げだ」と思って踏みとどまっていたら、今の働き方には出会えていません。
転職は「逃げ」じゃなくて、自分の人生の「最適化」だった。今はそう思っています。

誤解してほしくないのは、「だから転職しよう」と煽りたいわけではないことです。転職はゴールではなく、あくまで手段の一つ。動いたほうがいい人もいれば、今の職場で工夫したほうがいい人もいます。

私が伝えたいのは、「転職を選択肢に入れること自体は、まったく後ろめたくない」という一点です。3人に2人が経験している道です。特別でも、恥ずかしいことでもありません。

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「転職経験ゼロ」の3人に1人へ伝えたいこと

ここまで転職経験者の話をしてきましたが、転職ゼロの32.6%の人にも、少しだけ書かせてください。同じ職場で長く続けられているのは、それ自体が立派な強みです。信頼を積み上げ、職場に必要とされている証でもあります。

ただ、一つだけ気をつけたいことがあります。一つの職場しか知らないと、「これが薬剤師の普通」だと思い込みやすいんです。年収も、休みの取りやすさも、人間関係のあり方も。外を見ないと、比べる物差しを持てません。

これは実際に複数の職場を経験して痛感したことです。同じ「調剤薬局」でも、残業も昇給も驚くほど違いました。1社しか知らなかった頃の私は、その差にまったく気づいていませんでした。

転職ゼロの人が持っておきたい視点
  • 「今の職場が普通」とは限らない。年収・休日は職場でかなり違う
  • 転職しなくても、自分の市場価値を年1回チェックしておくと安心
  • 比べる物差しがあるほど、「今の職場が実はいい」とも気づける

転職しないと決めている人でも、外の相場を知っておくのは損になりません。むしろ「うちの職場、意外と条件いいな」と再確認できて、今の仕事に前向きになれることもあります。次の章で、その具体的なやり方を書きます。

転職を考え始めたら、まずやること

「辞めたいかも」と思ったとき、いきなり退職届を出す必要はありません。まずは情報を集めるところから。私がおすすめしている順番を、3ステップで書きます。

STEP
今の不満を「言葉」にする

人間関係なのか、年収なのか、休みなのか。辞めたい理由をノートに書き出すだけで、動くべきか工夫で済むかが見えてきます。感情のままだと判断を誤りやすいので、一度紙に出すのがおすすめです。

STEP
エージェントで市場価値を知る

転職するかどうかは、まだ決めなくて大丈夫です。今の自分がどのくらいの条件で求人を紹介されるのかを、無料で確かめておく。この一手だけで、選択肢が一気に広がります。

STEP
合う担当者と、じっくり作戦を練る

紹介された求人より、担当者の質のほうが転職の満足度を左右します。ここは私が5社以上使って一番痛感したところです。合わないと感じたら、遠慮なく担当変更や別社を使ってください。

私は転職後も、年に1回は市場価値のチェックだけ続けています。複数のエージェントに登録しておくと、同じ希望を伝えても提案の質が会社によって違うのがよく分かります。1社だけだと「これが普通」と思い込んでしまうんですよね。

ちなみに、エージェント選びで大事なのは会社名より担当者です。この話はそれだけで一記事書いているので、深掘りしたい人はどうぞ。

てつん

「まだ転職する気はないけど、相場だけ知りたい」でも大丈夫です。
登録は無料で1分ほど。話を聞くだけでも、今の自分の立ち位置が見えてきます。

いきなり辞めなくていい|派遣で「外の世界」を試す

「転職したい気持ちはあるけど、正社員をいきなり辞めるのは怖い」。その気持ち、よく分かります。私も派遣という働き方が気になって、正社員のまま面談だけ受けに行ったことがあります。

そのとき担当者が、現状の限界を正直に伝えつつ「派遣単独で柔軟に組み合わせる方法もありますよ」と、複数の選択肢を出してくれました。一つの答えを押し付けず、一緒に現実的な案を考えてくれる姿勢が印象に残っています。

派遣のいいところは、いきなり退路を断たなくていいことです。週1日から、単発から、外の職場を体験できる。「今の職場が本当に合わないのか」を、辞める前に確かめる手段になります。

派遣が向いている人
  • 正社員を辞める前に、他の職場を体験してみたい
  • 子育て中で、まずは週数日から働き方を変えたい
  • 本業+αで、無理のない範囲で収入を増やしたい

知り合いの薬剤師は、派遣を続けながら「LINEでいい案件が届くから見逃さない」と話していました。派遣はいい案件ほど早い者勝ちなので、情報が早く届くかどうかで結果が変わります。まずは登録して、どんな案件があるかを眺めるだけでも十分です。

てつん

「辞める」か「続ける」かの二択で悩むと、しんどくなります。
その間に「試す」という選択肢があると、気持ちがずいぶん軽くなりますよ。

よくある質問

転職を何回もすると、次の職場で不利になりませんか?

回数だけで一律に不利になるわけではありません。今回の95人でも、2回以上の転職経験者は4人に1人いました。大切なのは「なぜ動いたか」を自分の言葉で説明できることです。理由が筋の通ったものであれば、面接でもマイナスになりにくいと感じています。

転職する気はまだないのですが、エージェントに登録しても大丈夫ですか?

問題ありません。私自身、転職後も市場価値の確認だけのために年1回は登録を続けています。「今は情報収集の段階です」と最初に伝えておけば、無理に転職をすすめられることも少ないです。相場を知るだけでも、今の職場を客観的に見られるようになります。

辞めたいですが、いきなり正社員を辞めるのが不安です。

その不安は自然なものです。いきなり辞めずに、まずは派遣や単発で外の職場を体験する方法があります。「辞める・続ける」の二択の間に「試す」を挟むと、判断材料が増えて気持ちも落ち着きます。最終的な判断は、体験してから決めても遅くありません。

このアンケートは、薬剤師全体の傾向として信じていいですか?

参考程度に捉えてください。今回は2026年5月にクラウドワークスで集めた有効回答95人のデータです。サンプル数は限られていて、回答者の勤務先や年代によって結果は変わります。あくまで「一つの実データ」として、ご自身の状況と照らし合わせてもらえればと思います。

まとめ|転職は「特別なこと」じゃない

95人のデータと、私の2回分の転職を振り返って、伝えたいことをまとめます。

3人に2人が経験する道。転職はあなただけの特別なことじゃない

  • 薬剤師95人のうち、転職経験者は64人(67.4%)。ほぼ3人に2人
  • 1回が最多で41.1%、2回以上も26.3%(4人に1人)
  • 「辞めたい」と思った経験がある人は93.7%。理由の1位は人間関係
  • 辞める前に、まずエージェントで市場価値を確認しておく
  • いきなり辞めず、派遣で「外の世界」を試す選択肢もある

転職を繰り返す自分に、私はずっと引け目を感じていました。でもデータを見て、体験を重ねて、今ははっきり言えます。転職は逃げじゃなく、自分の人生を整えるための一手です。3人に2人が通る道を、後ろめたく思う必要はありません。

まずは情報を集めるところから。動くと決めていなくても、相場を知っておくだけで心の余裕が生まれます。無理せず、自分のペースで進めてくださいね。

あわせて読みたい

転職を具体的に進めたい方は、こちらの記事も参考になります。

※本記事のデータは2026年5月にクラウドワークスを通じて実施した薬剤師アンケート(有効回答95人)に基づきます。回答者の構成や勤務先により結果は変動するため、薬剤師全体の傾向としてご参考ください。

※本記事は筆者個人の経験に基づくものです。転職市場や年収相場は地域・時期により変動します。最新情報は各転職エージェントや公式統計データをご確認ください。本記事は2026年7月時点の情報をもとに執筆しています。転職やキャリアの最終判断は、ご自身の状況をよく確認のうえ行ってください。

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