- 薬剤師95人のリアルな年収分布(中央値帯は501〜600万円)
- 残業・休日・満足度の実態と、職場ごとの差
- 「辞めたい」と思った経験が93.7%、転職経験が67.4%という数字の意味
- もっと深掘りしたいテーマへの入り口(職場別・年収カーブ・辞めたい理由など)
年収も、残業も、辞めたいと思う頻度も、同僚には案外聞けないものですよね。私も病院から薬局に移るまで、自分の待遇が普通なのか低いのか、まったく分かっていませんでした。
そこで2026年5月、クラウドワークスを通じて現役薬剤師95人にアンケートを取りました。
年収・働き方・転職について、匿名だからこそ出てくる本音を集めた一次データです。
この記事はその全体像をまとめたページで、テーマごとの深掘りは別記事に用意しています。
気になったところから読み進めてください。
まず、どんな95人に聞いたのか【アンケートの概要】
データを見る前に、回答者の詳細を共有しておきます。誰に聞いたかで数字の見え方は変わるからです。
- 実施時期:2026年5月
- 方法:クラウドワークスでの募集(有効回答95人)
- 設問数:20項目(うち自由記述3項目)
- 調査主体:てつんブログ(運営:てつん)
回答者の中心は30代(47.4%)で、ちょうど働き盛り・子育て世代でした。
| 年代 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 20代 | 17人 | 17.9% |
| 30代 | 45人 | 47.4% |
| 40代 | 23人 | 24.2% |
| 50代以上 | 10人 | 10.5% |
勤務先は調剤薬局が最も多く42人(44.2%)。次いでドラッグストア27人(28.4%)、病院21人(22.1%)、企業5人(5.3%)という内訳です。雇用形態は正社員が78.9%を占めました。
| 勤務先 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 調剤薬局 | 42人 | 44.2% |
| ドラッグストア | 27人 | 28.4% |
| 病院 | 21人 | 22.1% |
| 企業 | 5人 | 5.3% |
薬剤師歴は10年以上が34.7%と最多で、6〜10年が27.4%。ベテランから若手までバランス良く集まった、と考えていいと思います。現場のリアルを映すサンプルとして見ていきましょう。
年収のリアル|中央値帯は「501〜600万円」だった
いちばん気になる年収から。95人の分布で最も多かったのは501〜600万円の35人(36.8%)でした。ここが中央値帯です。
| 年収帯 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 300万円未満 | 10人 | 10.5% |
| 301〜400万円 | 10人 | 10.5% |
| 401〜500万円 | 19人 | 20.0% |
| 501〜600万円 | 35人 | 36.8% |
| 601〜700万円 | 15人 | 15.8% |
| 701万円以上 | 6人 | 6.4% |
注目したいのは、701万円以上がわずか6.4%だったこと。
薬剤師は「資格があるから高収入」というイメージを持たれがちですが、
700万円を超えるのは全体の一握りというのが実データです。
この差は、どこで生まれるのか。ヒントは勤務先と年齢にあります。
勤務先別に年収を見ると、調剤薬局とドラッグストアは中央値帯が501〜600万円、病院は400万円台が約半数と少し低め。
そして801万円超は企業薬剤師(今回は5人全員)からのみ出ていました。
てつん私も病院時代は年収300万円台でした。
薬局に移って700万円台になったので、「どこで働くか」で年収が変わるのは身をもって実感しています。
年齢別に見ると、30代で500万円超が57%に到達し、40代で800万円超が13%出てきます。
ただし50代以上でも801万円超は20%にとどまり、年齢を重ねれば自動的に伸びるわけではないのが薬剤師の年収カーブの特徴です。
「自分の年収は職場のせいなのか、経験のせいなのか」を切り分けたい方は、年収の全体像を扱った記事も参考になります。


残業と休日|約85%が月20時間以内、でも完全土日休みは4人に1人
働き方の実態も聞きました。残業時間は、意外と少なめでした。
- ほぼなし:28.4%
- 10時間未満:28.4%
- 10〜20時間:28.4%
- 21時間以上:14.7%
合計すると約85%が月20時間以内。残業の少ない職場が多数派だと分かります。ただし勤務先別に見るとムラがあり、ドラッグストアは「ほぼなし」が44%で最多な一方、「21〜30時間」も15%いて店舗ごとの差が大きい。調剤薬局は「10〜20時間」が38%と平均的に多めでした。
休日はどうか。「完全土日休み」は24.2%で、いちばん多いのはシフト制(平日休み)の40.0%でした。年間休日の体感は「普通」が60%を占め、極端に少ないと感じている人は少数派です。



「土日に休めるかどうか」は、子育て中だと年収と同じくらい大事な条件ですよね。
完全土日休みが4人に1人という数字は、正直もっと少ないと思っていました。
残業や休日の中身は、勤務先によって景色がかなり変わります。職場ごとの数字を並べて比較した記事も用意しているので、自分の働き方と照らし合わせてみてください。
職場の満足度|過半数が「満足以上」、でも職場で割れる
今の職場に満足しているか。結果は「とても満足」9.5%+「満足」41.1%で、満足以上が50.6%と過半数でした。「不満」「かなり不満」は合わせて13.7%です。
| 満足度 | 割合 |
|---|---|
| とても満足 | 9.5% |
| 満足 | 41.1% |
| 普通 | 35.8% |
| 不満・かなり不満 | 13.7% |
全体では悪くない数字ですが、勤務先別に見ると差がはっきり出ます。調剤薬局は「満足」が45%で最多、企業は「とても満足」が40%と高い。一方で病院は「不満」が29%と最も高く、年収の伸びにくさと関係していそうです。



私自身、病院で働いていた頃は「やりがいはあるのに給料が…」というモヤモヤを抱えていました。
病院の不満率が高いのは、なんとなく分かる気がします。
「辞めたい」と思った経験は93.7%|理由の1位は”お金”じゃなかった
ここが今回いちばん考えさせられた設問でした。「辞めたいと思ったことがあるか」に対し、「よくある」16.8%+「たまにある」52.6%+「ほとんどない」24.2%。つまり「辞めたい」と思った経験がある人は93.7%、ほぼ全員です。
では、何が理由なのか。辞めたい経験のある89人に複数回答で聞いた結果がこちらです。
| 順位 | 理由 | 割合 |
|---|---|---|
| 1位 | 人間関係 | 49.4% |
| 2位 | 年収が低い | 34.8% |
| 3位 | 仕事内容 | 33.7% |
| 4位 | 将来性 | 30.3% |
| 5位 | 休みが少ない | 15.7% |
1位は「人間関係」49.4%。
「年収が低い」より約15ポイント高い
お金が理由の1位だと思っていたので、この結果は少し意外でした。少人数で回す薬局や病棟では、合わない人が1人いるだけで毎日がしんどくなる。数字より人、というのは現場感覚に近いのかもしれません。



私も「辞めたい」と思った一番の引き金は、給料より人間関係でした。
だからこの1位には、正直うなずいてしまいました。
この「辞めたい理由TOP5」は、それぞれの理由と対処法まで踏み込んだ専用記事にまとめています。今まさにモヤモヤしている方は、こちらを読んでみてください。


3人に2人は転職経験あり|薬剤師にとって転職は特別じゃない
転職経験も聞きました。「0回」が32.6%、「1回」が41.1%、「2回以上」が26.3%。合わせると転職経験ありは67.4%、3人に2人が一度は職場を変えています。
薬剤師の67.4%が転職経験あり
「辞めたい経験が93.7%」「転職経験が67.4%」。この2つを並べると、薬剤師にとって転職は珍しい選択ではないと分かります。資格があるぶん動きやすい職業だ、とも言えます。
ただ、勢いで動くと後悔もします。私も5社以上のエージェントを使いましたが、担当者によって出てくる求人も、話の丁寧さも本当にバラバラでした。大事なのは「今すぐ辞める」ことではなく、自分の市場価値を知っておくこと。求人を眺めるだけでも、今の職場が相場より上か下かが見えてきます。



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登録は1分ほど。しつこい連絡もないので、まずは今の相場を知るところから始めてみてください。
「そもそもエージェントってどう選ぶの?」という方は、私が使い比べて感じた選び方を別記事に書いています。


職場別の本音|調剤・ドラッグストア・病院・企業のリアル
自由記述には、選択肢では見えないリアルな声が集まりました。勤務先ごとに、印象的だったものを抜粋します(いずれも原文を尊重しつつ、個人が特定されない形で紹介しています)。
「管理薬剤師になっても手当は数万円上乗せ程度で、将来的な伸び悩みが不安」という声がある一方、「残業が少なく休日出勤もないので趣味や習い事に取り組める」「役職が上がれば年収も上がりやすい」という前向きな声も。満足度が高いのは、この働きやすさが効いていそうです。
「調剤だけでなくOTC医薬品の相談やセルフメディケーションの推進など、地域住民の健康に直接関わる役割が重要」という声。一方で「少人数で働く職場が多いので人間関係にとても左右される」という、辞めたい理由1位とつながる本音もありました。
「専門性が高くやりがいも大きい一方、年収が他業種に比べて伸びにくい」「中規模病院では人員不足が慢性化し、病棟業務の負担が増える一方で待遇が見合わない」という切実な声。同時に「子育てをしながら働くには都合が良い」という評価もあり、評価が分かれる職場でした。
「学術・開発職という選択肢を持つことで、より専門性を深め高い年収を得る可能性が広がる。ただし英語力やロジカルシンキング、ビジネス感覚も必要」という声。今回のサンプルでは5人全員が801万円以上でしたが、対人業務とは違うスキルが求められる世界だと分かります。
企業薬剤師については、人数を集めて深掘りした記事を用意しています。「実際どうなの?」という具体像は、こちらで確かめてみてください。


病院で働きながら、日曜だけ薬局で働いていた話
病院薬剤師21人の自由記述を読み返していて、レジデント時代の日曜日を思い出しました。
当時の私は大学病院のレジデント。平日は病棟に張りつき、土曜は隔週で出勤。まるまる休めるのは日曜だけでした。その日曜に、調剤薬局でバイトをしていました。理由は単純で、生活費が足りなかったからです。
正直に書くと、キツかった。
体も頭も疲れ切ったまま、唯一の休みを潰して処方箋を受ける。「なんで自分だけ」と思った日曜も、一度や二度ではありません。美化するつもりはまったくないです。
小遣い稼ぎのつもりが、キャリアの土台になっていた
ただ、この週1日が後になって効いてきます。
レジデント修了後、私は地域の中核病院を経て調剤薬局に移りました。
そのとき日曜バイトで積み上げていた保険薬局での実務経験が評価されて、転職した初年度から管理薬剤師を任されることになりました。
生活費のために仕方なく続けていた1日が、転職のときにいちばんの武器になっていたわけです。
ここは誤解されたくないので補足します。管理薬剤師に求められる経験の扱いは、薬局や運営会社、地域によって考え方が違います。「週1のバイトを続ければ管理薬剤師になれる」という話ではありません。
あくまで私の場合はこうだった、という一例として読んでください。実際の要件は、応募先や地域の薬務課への確認が確実です。
この日曜バイトの話は、『手取り20万の薬剤師が30代で年収700万円台になれた理由』として、Kindleで発売中です。3年間で何がしんどくて、何が後から効いてきたのか。当時の自分が知りたかったことをそのまま残しています。
レジデント修了後にどう転職して年収が動いたのかは、こちらに詳しく書いています。


週1のバイトが向いている病院薬剤師
病院は年収400万円台が約半数で、不満率も29%と4業種で最も高い。その状況で「すぐ転職」以外の選択肢を持てるのは、地味に大きいと思っています。
- 今の病院は辞めたくないけれど、収入をあと少し増やしたい
- 調剤薬局の雰囲気を、転職を決める前に自分の目で見ておきたい
- いずれ薬局に移るつもりで、保険薬局の実務経験を先に積んでおきたい
逆に、平日の業務だけでもう限界という人には勧めません。休みが週0になるので、体を壊したら元も子もない。私が3年続けられたのも、単に体力のある年代だったからだと思います。
もう一つ。勤務先の副業・兼業のルールは必ず先に確認してください。
国公立の病院や法人によっては届出や許可が必要です。ここを飛ばすと、せっかくの経験が別のトラブルになります。
ちなみに私は病院に内緒で日曜バイトしてました。



「日曜だけ」「月2回だけ」という条件でも相談はできます。
ファルメイトやファルマスタッフは派遣・単発の求人も扱っているので、希望の曜日を伝えて聞いてみるのが早いです。
95人アンケートのよくある質問
この調査について、読者から届きそうな疑問にまとめて答えておきます。
- 薬剤師の年収でいちばん多い層はどこですか?
-
今回の95人では501〜600万円が35人(36.8%)で最多でした。ここが中央値帯です。一方で701万円以上は6.4%にとどまり、高年収は一部に限られます。
- 薬剤師はみんな「辞めたい」と思っているのですか?
-
「辞めたい」と思った経験がある人は93.7%でした。ほぼ全員が一度は感じています。ただ「よくある」は16.8%で、多くは「たまにある」レベル。悩むこと自体は珍しくない、と捉えていいと思います。
- 辞めたい理由の1位は何ですか?
-
人間関係(49.4%)でした。2位の「年収が低い」(34.8%)より約15ポイント高く、お金より人が理由の筆頭です。少人数の職場が多い薬剤師ならではの結果かもしれません。
- このアンケートはどのくらい信頼できますか?
-
2026年5月にクラウドワークスで実施した有効回答95人のデータです。回答者は30代・調剤薬局勤務が中心で、サンプル数も限られます。薬剤師全体の平均そのものではなく、あくまで「現場の一つの断面」としてご参考ください。
まとめ|95人のデータが教えてくれること
- 年収の中央値帯は501〜600万円。701万円以上は6.4%だけ
- 約85%が残業月20時間以内。でも完全土日休みは4人に1人
- 満足以上は50.6%。ただし病院は不満29%と職場で差が出る
- 「辞めたい」経験は93.7%。理由の1位は人間関係(49.4%)
- 転職経験ありは67.4%。薬剤師にとって転職は特別ではない
数字を知ると、自分の立ち位置が見えてくる
95人の声を並べて感じたのは、「悩んでいるのは自分だけじゃない」ということでした。辞めたいと思う人がほぼ全員、転職する人が3人に2人。それが薬剤師のふつうです。
だからこそ、勢いで動く前に一度データと向き合ってほしいと思います。自分の年収は相場のどこにいるのか、不満の正体はお金なのか人間関係なのか。そこがはっきりすると、次の一手を落ち着いて選べます。
本気で転職を考え始めた方は、エージェント5社を使い比べた選び方から読んでみてください。
もし「今の職場を離れずに、まず働き方の幅を広げたい」なら、派遣という選択肢もあります。高時給・週3〜4日から始められるので、正社員を続けながら試す人も増えています。



派遣の働き方が気になる方は、こちらから無料で相談できます。
登録は1分ほど。まずはどんな求人があるか見るだけでもOKです。
テーマ別にもっと深掘りする(あわせて読みたい)


※本記事のデータは2026年5月にクラウドワークスを通じて実施した薬剤師アンケート(有効回答95人)に基づきます。回答者の構成や勤務先により結果は変動するため、薬剤師全体の傾向としてご参考ください。年収・労働条件は地域・時期・個別の職場により異なります。キャリアの最終判断は、各転職エージェントや公式統計データも確認のうえ、ご自身でご検討ください。









