『必見!』病院薬剤師から薬局薬剤師への転職での注意点と解決法

 

薬剤師の転職は「薬局」「病院」が大半を占めます。現在病院薬剤師で働いている人の中には、5年くらい病院で勉強をしてその後に薬局で働こうと考えている人もいると思います。実際に私もその中の一人であり、6年目に病院から薬局へ転職をしています。

今回は実際に転職を経験した私が思う「病院薬剤師が薬局へ転職する際に注意すべき点」を記事にしていきます。

今後薬局へ転職したいと思っている病院薬剤師には重要な内容ですので是非最後まで読んでください!

目次

病院薬剤師の知識が思ったより役に立たない

まず一つ目は「薬の知識」です。

病院薬剤師は薬局薬剤師よりも薬のことを深く理解しています。ただ、病院薬剤師は自身が思っているよりも狭い範囲の薬しかわかっていません。

なぜなら、入院患者と外来患者では疾患の重症度が全く異なるからです。

例えば消化器内科の処方を例にあげると、病院の場合は「急性膵炎」「大腸がん末期」「イレウス」等の早急に入院が必要な疾患ばかりが入院してきます。しかし、調剤薬局の場合は「ピロリ菌の除菌」「便秘」「過敏性大腸炎」等の入院が必要ない疾患が多く、病院で学んだ疾患の知識が調剤薬局では全く役に立たないことも多いです。さらに病院内の薬は選りすぐりの品目のみが採用されており、規格違いや同種同効薬が少なくなっています。しかし、薬局では先発品はもちろんのこと、ジェネリックメーカー違いや同種同効薬が幅広く備蓄されており、幅広く色々な薬剤を知っているのは病院薬剤師よりも薬局薬剤師なのです。

処方箋が読めない

これは私個人の意見かもしれませんが薬局に転職して困った事例です。ほとんどの処方箋は一般名処方です。つまり、一般名から商品名が結びつかないと話になりません。

ジェネリックが普及しているため、ある程度の一般名は覚えている人も多いとは思いますが、病院薬剤師は自身の病院で採用している薬の名前しかわからない人もいます。

そのため、処方箋を見ても何の薬のことか全く理解できないのです。実際は処方箋をパソコンで読み込むと該当する薬剤を勝手にパソコンが選んでくれるのですが、調剤は処方箋をもとに行う必要があるのである程度一般名を覚える必要があります。

さらに、処方箋には様々なルールが存在しています。

例えば・・・「ヒアルロン酸Na点眼液0.01%「トーワ」5ml 1日4回右目点眼」と処方箋に記載がある場合、先発品の「ヒアレイン点眼液0.01%」を使用するためには処方元の医師へ疑義照会が必要です。

同成分だから在庫のあるものを出そうと思ってもできないのです。他にも細かなルールが存在しています。

認定薬剤師の資格は取り直しになる

「ここがだめだよ日本の薬剤師制度!!!!」

と大きく声を出したいくらいですが、病院で取得した認定薬剤師は資格によっては薬局で意味をなさず、再度初めから取り直す必要があります。

病院へ入職後の生涯研修として「日本病院薬剤師会認定薬剤師(日病薬認定薬剤師)」の資格をとることを最初の目的とします。しかし、この資格は病院薬剤師でいる間しか意味がないんです。

薬局薬剤師として「かかりつけ薬剤師」をとるためには「日本薬剤師研修センターの研修認定薬剤師」の資格が必要です。日病薬認定薬剤師を持っていても意味がないのです。もちろん病院で研修センターの認定薬剤師資格を取得することも可能ですが、1つの勉強会を参加することでもらえる認定証は1枚のみなので、日病薬認定薬剤師か研修センター認定薬剤師のどちらか一方にしか使えません。

給料が思ったよりも上がらない

現在の薬局業界は「対人業務」にシフトしていく動きが強いです。今まで薬を調剤していれば利益が出ていた薬局も診療報酬改定によって利益が大幅に減少し、「対人業務」で利益を確保する時代へ移り変わってきています。

つまり薬局の収益は「かかりつけ薬剤師」「地域連携薬局」が重要となるのです。しかし、簡単にかかりつけ薬剤師になることはできません。

かかりつけ薬剤師になるためには以下の要件があります(2021年12月現在)

  • 保険薬局での3年以上の勤務経験(病院勤務は最長1年を勤務経験に充てることができる)
  • 同一薬局での週32時間以上の勤務
  • 当該薬局での連続12ヶ月以上の勤務
  • 研修認定薬剤師の取得
  • 医療に関わる地域の取り組みへの参加

要件からわかるように、何年病院で働いてもかかりつけ薬剤師になるためには最低で2年はかかるということです。つまり、転職して2年は薬局に収益を及ぼすことができないため病院薬剤師からの転職では給料がそれほど上がらないのです。

解決方法1:保険調剤薬局でバイトをしよう

薬局は日曜日も営業している薬局も少なくありません。病院の休みの日に薬局でアルバイトをすることも検討してみましょう。処方箋の読み方はもちろんのこと、新しい薬の知識も得ることができます。

さらに、バイトとして薬局に在籍することで保険薬局での勤務経験とみなされるため、かかりつけ薬剤師要件である保険薬局での3年以上の業務経験に加算されるのです。2年間バイトとして薬局経験を積むだけで薬局への転職活動の優位性は全く異なってきます。

私も薬剤師1年目から3年目まで病院勤務の隙間時間に保険薬局でアルバイトを行っていました。その結果様々な疾患にも触れることができ、転職初年度から管理薬剤師、そしてかかりつけ薬剤師への道を進んでいます。

解決方法2:転職サイトを活用しよう

このような転職サイトを活用すると、自分の希望をエージェントがしっかり聞いてくれます。「管理薬剤師になりたい」「年収600万円は欲しい」「いずれ自分で開業したい」等々。

特に年収の部分は個人で転職活動をするよりもはるかに期待できます。

エージェントは契約した年収の何%かを紹介料として企業からもらいます。そのため、エージェントとしても年収をあげることのメリットが大きいのです。さらに自分では聞きにくいような情報(有休、残業時間、キャリアアップ等)をエージェントが聞いてくれるというメリットもあります。

もちろん転職サイトでアルバイトを探すこともできます。私も実際転職サイトに登録をし、週1回日曜日午前中のみのアルバイトを見つけてもらいました。

いま転職する必要がないと思っている人でも、自分の現在の価値を評価することはタダです。薬局業界は日々移り変わっています。取り返しのつかない選択をする前に日々薬局業界の情報を取り入れることは今後薬局へ転職を考えている人にとって重要となるに間違いありません。

まとめ

今回は病院から薬局に転職した私が思う困ったことを記事にしてみました。今後薬局に転職をしようとしている人もこれから就活に挑む人も、病院や薬局において求められる薬剤師像が多少異なっていることは理解しておく必要があります。今後のキャリアを考える上で参考にしていただければと思います!

今日の処方箋枚数~19枚~ まぁまぁだな。

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