日病薬病院薬学認定薬剤師とは?取得した私が要件と試験を解説

日病薬病院薬学認定薬剤師の取り方を解説するアイキャッチ(白衣の薬剤師と書籍)
この記事でわかること
  • 日病薬病院薬学認定薬剤師が「どんな資格」で「なぜ取るのか」
  • 3年で50単位+試験に合格するまでの現実的な進め方
  • 2026年最新の申請フロー・Web試験・合格基準・更新制度
  • 病院だけでなく、薬局に転職しても評価される理由

「認定薬剤師を取ると給料は上がるの?」「3年かかるって聞くけど、実際は何をするの?」

新人の頃の私も、まさにこの疑問だらけでした。制度の説明を読んでも、単位だ領域だと言葉が難しくて、正直よくわからなかったんです。

この記事では、日病薬病院薬学認定薬剤師を実際に取得した私(現在は管理薬剤師)が、単位の集め方から申請・試験・更新までを、体験を交えてかみ砕いて解説します。

制度は年々アップデートされるので、2026年7月時点の最新情報にもとづいてお伝えします。

この記事を書いた人
  • 大学病院レジデント3年で認定薬剤師を取得
  • 病院から調剤薬局へ転職・現在は管理薬剤師
  • 糖尿病療養指導士・スポーツファーマシストも保有
  • 5社以上の転職エージェントを利用
  • 詳しい運営者情報は「こちら」

       てつん

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目次

日病薬病院薬学認定薬剤師とは?まず制度をざっくり

日病薬病院薬学認定薬剤師は、一般社団法人日本病院薬剤師会(以下、日病薬)が認定する資格です。2015年にスタートした、比較的新しい制度になります。

ざっくり言うと、「薬物療法の幅広い知識と、臨床現場での実践力を持った薬剤師ですよ」と日病薬が認めてくれる制度です。チーム医療のなかで、薬剤師が薬物療法に主体的に関わることを後押しする狙いがあります。

なぜ多くの病院薬剤師が取るのか
  • がん・感染制御・精神科などの専門・認定薬剤師の「前提資格」になっていることが多い
  • 昇進(副主任→主任→管理者)で評価される場面がある
  • 薬剤師認定制度認証機構が認証した制度で、対外的な信頼性がある

特にステップアップを考えるなら、日病薬認定は「最初の一歩」になりやすい資格です。がんや感染制御といった専門・認定薬剤師を目指すとき、その受験資格として日病薬認定が求められることが多いからです。

てつん

私も新人のときは「認定って結局なに?」状態でした。
でも先輩から「専門を取りたいなら、まず日病薬認定から」と言われて、逆算で計画を立てられたんです。

取得までの全体像|3年計画で「50単位+試験」

先に全体像をつかんでおくと、あとの話が一気にわかりやすくなります。日病薬認定の取得は、大きく次の流れで進みます。

STEP
日病薬の会員になる

都道府県の病院薬剤師会を通じて、日病薬の正会員(または保険薬局勤務などの特別会員)になります。病院勤務ならほぼ自動的に入会するケースが多いです。

STEP
3年かけて50単位を集める

5つの領域から、偏りなく研修単位を集めます。毎年10単位以上という「ペース配分」の条件もあります。

STEP
申請する(オンライン+書類)

例年、春ごろに「事前登録(申請の意思確認)」と申請手続きがあります。日病薬の申請システムでオンライン入力し、書類を郵送する流れです。

STEP
認定試験(Web)を受ける

初夏ごろに、期間内であればいつでも受けられるWeb試験があります。自宅でも職場でも受験可能です。

STEP
合格→認定料を払って認定

合格基準を満たせば、認定料を支払って晴れて認定薬剤師です。

てつん

「3年」と聞くと身構えますよね。
でも逆算すれば、毎年コツコツで十分間に合う。むしろ焦って早く取りすぎると、更新も早く来て損することもあるんです。

【要件の核】3年で50単位を集めるコツ

いちばん時間がかかるのが、この「単位集め」です。まず要件を表で整理します。

新規認定の主な要件
項目内容
会員日病薬の正会員または特別会員(保険薬局勤務・大学教員等も可)
単位過去3年度を通算して50単位以上(毎年10単位以上)
領域配分5領域16項目から、各領域の最低単位を満たす(Ⅰ≧2・Ⅱ≧4・Ⅲ≧4・Ⅳ≧4・Ⅴ≧6)
他機関の単位他プロバイダーの単位は50単位のうち10単位まで有効
試験認定試験に合格すること

ポイントは「5領域を満遍なく」という部分です。たとえば得意な領域だけで50単位を集めても、要件は満たせません。

特にⅠ・Ⅱ・Ⅳの領域は研修会の開催自体が少なく、単位を取りにくい傾向があります。案内を見つけたら、積極的に参加しておくのが安全です。

  • 毎年開催される医療薬学会の年会に参加すると、まとまった単位を確保しやすい
  • 研修会がどの領域かは、案内や参加シールの番号で確認できる
  • 「1年目5・2年目15・3年目30」のような偏った取り方はNG(毎年10単位以上が必要)
てつん

ちなみに会費、毎年4月に給料からしれっと引かれてました(笑いごとじゃない)。
職場が負担してくれることもあるので、そこは確認しておくと安心です。

単位は「安い順」で集めるのがコツ|無料→学会→e-ラーニング

単位取得にかかる費用は、集め方でかなり変わります。かかるお金は人それぞれですが、「安い順に攻める」のが基本です。私のおすすめの優先順位はこの3つ。

  • ①まず無料の勉強会を逃さない:院内・地域の研修会には無料のものが結構あります。DI室・院内掲示・薬剤師宛メールで案内が回ってくるので、こまめにチェック
  • ②学会で一気に稼ぐ:医療薬学会の年会などに参加すると、一度でまとまった単位が取れます。参加費を職場が負担してくれるかは病院次第ですが、負担してもらえるなら一番効率が良い
  • ③足りない分野はe-ラーニング:それでも足りない領域は、日病薬会員向けの有料e-ラーニングで補う。好きな時間に、足りない領域だけを狙い撃ちできます
てつん

正直、どうしても足りない分野って出てくるんですよね。
だから結局、最後はみんなe-ラーニングにお世話になってる気がします(笑)。

私が新人の頃に「広く浅く」知識をつけるのに役立った書籍も、参考までに載せておきます。研修で得た内容の復習にも使えて、どの病棟に配属されても役に立つ1冊でした。

ほかの参考書も、目的別にまとめています。

【2026年最新】申請から認定試験までの流れと合格基準

ここが以前と変わっているところなので、しっかり押さえておきましょう。申請は「オンライン入力+書類の郵送」の組み合わせになっています。

申請〜試験の流れ(2026年度の例)
  • 事前登録(申請の意思確認):春ごろ(2026年度は4月上旬まで)
  • 申請:申請システムでオンライン入力→出力した書類を郵送(2026年度は5月上旬必着)
  • 認定試験:初夏(2026年度は6月中旬)に、原則3日間のWeb試験

日程は年度によって変わります。申請には「事前登録」というステップが先にあるので、これを逃すと申請自体ができません。受験を考えている年は、早めに日病薬の公式サイトをチェックしておきましょう。

認定試験はWeb形式|合格基準は「上位10%の平均点の70%」

認定試験はWeb試験で、指定された期間内であれば、自宅でも職場でも受験できます。問題はプールされたなかからランダムで出題される選択形式です。

気をつけたいのが合格基準。「受験者の成績上位10%の平均点の70%」と定められていて、受ければ全員が受かるわけではありません。日頃の単位取得=研修の積み重ねが、そのまま試験の下地になります。

てつん

私は同期と一緒に、職場で受験しました。
「みんなで受けたね」と言い合えたのは、レジデントならではのいい思い出です。

【本音】実際に受けてみた感想|そんなに身構えなくて大丈夫

ここからは、実際に取得した私の正直な感想です。受けたのは数年前(レジデント時代)なので、「当時の体感」として読んでください。制度の最新情報は、前の章までの内容が最新です。

まず率直に言うと、「難しい」と身構えるほどの試験ではなかったというのが私の印象です。制度上は「上位10%の平均点の70%」という合格基準がありますが、正直、私の周りで落ちたという話は聞いたことがありませんでした。

ただ、これは正直に補足しておきます。私がレジデント出身で、いろいろな科をローテーションして「広く浅く」知識を持っていたことも大きいと思います。とはいえ、日々の業務をしっかりこなしていれば、過度に恐れる必要はないというのが本音です。

出題の体感(あくまで印象)
  • CBTレベルの基本的な問題もあれば、正直まったく見当がつかない問題もある
  • ただ「本当に分からない問題は、みんな分からない」もの。そこは気にせず解き進めた
  • 1問に固執せず、取れる問題を確実に取る意識でOK

私がやった(おすすめできる)対策

特別な対策はしていませんが、やってよかったと思うのは次の3つです。

  • 日々の業務と研修を大事にする(これが結局いちばんの試験対策)
  • 受けた先輩に試験の雰囲気や出題範囲の傾向を聞いておく
  • レジデントマニュアルのような本で、基礎を軽くさらっておく

受験環境についても触れておきます。私のときは同じ時期に受けた人がもう1人いましたが、別々のパソコンで受験しました。問題はランダムに出るので、そもそも協力できない仕組みです。

てつん

「試験」と聞くと緊張しますが、空気感は拍子抜けするくらい普通でした(笑)。
気負いすぎなくて大丈夫です。

これから受ける人へ|「ついでに取れたらラッキー」でいい

いちばん伝えたいのはここです。落ちても特に不利益はないので、気軽に受けてほしいということ。

この日病薬認定は、いろいろな専門・認定薬剤師の要件になります。でも、その専門・認定を取るには症例集めなどで年単位の時間がかかります。つまり、その準備期間のうちに合格しておけば十分なんです。

だからこそ、まずは日々の業務を頑張ること。そして「ついでに資格も取れたらラッキー」くらいの気楽さで受けるのが、いちばん健全だと思います。

てつん

ちなみに正直な話、病院ではこの資格があっても病院の収益に直結はしません。
一方で薬局は、かかりつけ薬剤師の要件に関わるので実益に近い。同じ資格でも「意味の重さ」が職場で違うのは、知っておくといいかもしれません。

意外と知らない「6年ごとの更新」

認定は「取ったら一生もの」ではありません。ここを知らずに取ると、あとで慌てることになります。

更新の主な要件
  • 6年ごとの更新制
  • 6年間で100単位以上を取得(他プロバイダーは20単位まで)
  • 更新料は3,000円(税別)

新規は「3年で50単位」でしたが、更新は「6年で100単位」。つまり、取得後もほぼ同じペースで研鑽を続けるイメージです。せっかく取った認定を切らさないよう、更新のスケジュールも頭に入れておきましょう。

認定は「取って終わり」ではなく「続けて価値が出る」資格

薬局に転職しても武器になる|”認証機構の認定”という強み

「病院向けの資格だから、薬局に移ったら意味ないのでは?」と思うかもしれません。でも、そんなことはありません。

日病薬認定は、薬剤師認定制度認証機構(CPC)が認証した認定制度です。だから病院だけでなく、薬局に転職しても「評価される認定資格」として通用します。

薬局では、かかりつけ薬剤師として働くために「認定薬剤師の取得」が求められる場面があります。認証機構が認証した認定を持っていることは、こうした場面でも強みになります。

※施設基準や算定要件は制度改定で変わります(2026年度改定でも見直しがありました)。実際の取り扱いは、勤務先・地方厚生局・日本薬剤師研修センター等で最新情報をご確認ください。

私自身、病院で認定を取ったあとに調剤薬局へ転職し、今は管理薬剤師をしています。認定や実務経験を積み重ねた結果、20代の頃から比べて年収は700万円台まで上がりました。認定そのものが直接お金になるというより、「キャリアの選択肢を広げてくれる土台」になった感覚です。

てつん

認定は「あると強い名刺」みたいなもの。
それを持ったうえで、自分の市場価値がどれくらいか知っておくと、次の一手が見えてきます。

「認定を活かせる職場ってどこだろう」と気になったら、まずは求人を見てみるのがおすすめです。無料で相談でき、今の市場価値を知るだけでも十分参考になります。

年収がどこで決まるのか、職場ごとの違いは別の記事にまとめています。

がん領域の認定・専門を目指すなら

日病薬認定を土台に、その先の専門・認定を目指す道もあります。たとえば緩和領域の緩和薬物療法認定薬剤師(日本緩和医療薬学会)などは、日病薬認定などを前提資格として求めています。

がん領域の認定を実際に取得した薬剤師への取材記事もあるので、次のステップを考えている方はどうぞ。

よくある質問

認定薬剤師を取ると給料は上がりますか?

取得しただけで現職の給料がすぐ上がるとは限りません。ただ、昇進の前提条件になっていたり、転職時に評価されたりと、キャリアの選択肢を広げる場面は多いです。「資格そのもの」より「その先のキャリア」で効いてくるイメージです。

薬局薬剤師でも取得できますか?

可能です。保険薬局勤務の薬剤師は「特別会員」として日病薬の会員になれます。ただし研修単位を集める必要があるため、研修会やe-ラーニングをどう確保するかは事前に考えておくと安心です。

認定試験は難しいですか?

合格基準は「受験者の成績上位10%の平均点の70%」で、受ければ全員合格というものではありません。とはいえ、3年かけて研修で学んだ内容が下地になるので、単位をきちんと積み重ねていれば過度に恐れる必要はありません。

更新は大変ですか?

6年ごとの更新で、6年間に100単位以上が必要(更新料3,000円・税別)。新規の「3年で50単位」とほぼ同じペースなので、日頃から研修に参加していれば無理なく続けられます。取得後も研鑽を止めないことが前提の資格です。

まとめ:日病薬認定は「キャリアの土台づくり」

最後に、今日のポイントを整理します。

  • 日病薬認定は「3年で50単位+Web試験」で取得。専門・認定薬剤師への前提資格になる
  • 単位は5領域を満遍なく。毎年10単位以上のペース配分に注意
  • 申請は「事前登録→オンライン+郵送→Web試験」。日程は年度ごとに公式で確認
  • 6年ごとの更新(100単位)あり。認証機構の認定なので薬局でも評価される

認定そのものが劇的に年収を上げるわけではありません。でも、計画的に取っておけば、昇進・転職・専門資格へと道がつながっていきます。私自身、この土台があったからこそ、今のキャリアがあると感じています。

「認定を取ったあと、自分はどんな職場で評価されるんだろう」——そう思ったら、市場価値を知ることから始めてみてください。無料で相談できますし、動くかどうかは後で決めれば大丈夫です。

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※本記事は2026年7月時点の情報および筆者の取得経験にもとづきます。認定制度の要件・単位・申請日程・試験・更新の詳細は改定されることがあります。受験・申請の際は、必ず日本病院薬剤師会の公式情報で最新の内容をご確認ください。

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