【職場別】薬剤師の年収・残業・休日を95人で比較

調剤薬局・ドラッグストア・病院・企業の4職場を比較する薬剤師のイラスト(95人アンケート)
この記事からわかること
  • 調剤薬局・ドラッグストア・病院・企業で、年収がどれくらい違うのか
  • 残業が一番少ない職場・多い職場はどこか(95人の実データ)
  • 年収が高い職場が、満足度も高いとは限らない理由
  • 病院と薬局を渡り歩いた私が、データと実感を答え合わせした結果

「隣の職場の芝生は青く見える」。薬剤師をやっていると、これを何度も感じます。

病院で働いていた頃の私は、夜勤をして土日も月1回出て、それで年収は500万円台でした。「薬局に行けばもっともらえる」という噂は本当なのか。逆に薬局は休みがないという話も聞く。数字で確かめたくても、まとまった比較データはなかなか見つかりません。

そこで2026年5月、薬剤師95人に「年収・残業・休日・満足度」を直接聞いてみました。この記事は、その集計結果を調剤薬局・ドラッグストア・病院・企業の4つに分けて比較したものです。私自身が病院から薬局へ移った実体験もあわせて、数字の裏側まで書いていきます。

この記事を書いた人
  • 大学病院レジデント3年→病院薬剤師→調剤薬局へ転職
  • 病院で年収500万円台→現在は管理薬剤師で700万円台
  • 5社以上の転職エージェントを利用・企業転職も検討した経験あり
  • 35歳・子育て中。年収と働き方のバランスを模索中
  • 詳しい運営者情報は「こちら」

       てつん

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目次

このデータは誰に聞いたのか(95人の内訳)

比較の前に、どんな薬剤師に聞いたのかを正直にお伝えします。数字は、母集団を知らないと読み間違えるからです。

2026年5月に、クラウドワークスを通じて薬剤師95人にアンケートを実施しました。勤務先の内訳は次のとおりです。

勤務先人数割合
調剤薬局42人44%
ドラッグストア27人28%
病院21人22%
企業5人5%
薬剤師95人アンケート・勤務先の内訳(2026年5月実施)

ここで大事な注意が1つあります。企業薬剤師は5人しかいません。この記事では企業の数字も紹介しますが、人数が少ないので「参考値」として扱ってください。調剤・ドラッグストア・病院は数十人規模なので、傾向として読める精度があります。

全体像や他の設問(辞めたい理由、転職経験など)は、ピラー記事にまとめています。この記事の数字がどこから来ているのか気になった方は、先にこちらを見てもらうと理解が早いです。

【年収編】一番稼げるのはどの職場か

中央値帯はどこも「501〜600万円」。差がつくのは”上振れ”の部分

まず年収から。7段階で聞いた回答を、職場別に「一番多かった年収帯」と「600万円を超えた人の割合」で整理しました。

勤務先(人数)最多の年収帯600万超の割合
調剤薬局(42)501〜600万(45%)19%
ドラッグストア(27)501〜600万(37%)19%
病院(21)401〜600万で拮抗14%
企業(5)※参考値801万〜(100%)100%
勤務先別の年収傾向(95人アンケート・2026年5月)

調剤薬局とドラッグストアは、ボリュームゾーンがそっくりでした。どちらも「501〜600万円」が最多で、600万円を超える人は5人に1人ほど。イメージほど大きな差はありません。

病院は少し様子が違います。「401〜500万円」と「501〜600万円」がどちらも29%で並び、400万円台に半分近くが集まる結果でした。600万円を超えた人は14%で、4職場のなかで最も低い数字です。

そして企業。5人全員が801万円以上という、極端な結果になりました。人数が少ないので鵜呑みにはできませんが、「専門性をそのまま活かせる企業の枠は年収が高い」という業界の実感とは一致しています。

てつん

この病院の数字、私にはリアルすぎました。
病院時代、夜勤をして土日も月1回出て、それで年収は500万円台。「これから子どもを、と考えると心許ないな」と本気で悩んだ時期です。

なぜ病院は伸びにくいのか。私が薬局へ移って一番驚いたのは、利益の作り方がまったく違うことでした。薬局は加算や在庫、経費といった「薬以外の数字」で経営が回ります。その数字に強くなることが、そのまま昇給や昇進につながっていく。病院にも利益の意識はありますが、薬局ほど個人の待遇に直結しない印象です。

年収の話は、職場ごとの違いと昇進の仕組みを別の記事で深掘りしています。「なぜこの差が生まれるのか」を仕組みから知りたい方はこちらへ。

【残業編】残業が少ないのはどの職場か

次は残業です。ここは職場によって、はっきり色が出ました。「残業ほぼなし」の割合と、「月20時間を超える」割合で並べます。

勤務先(人数)残業ほぼなし月20時間超
調剤薬局(42)14%5%
ドラッグストア(27)44%15%
病院(21)43%29%
企業(5)※参考値0%40%
勤務先別の残業傾向(95人アンケート・2026年5月)

調剤薬局は「ほぼなし」が14%と少なめですが、月20時間を超える人も5%だけ。大きな残業は少なく、10〜20時間あたりに収まるのが典型です。門前の診療時間に合わせて少し延びる、というくらい。

面白いのはドラッグストアと病院です。どちらも「ほぼなし」が4割を超える一方で、20時間超もそれなりにいます。特に病院は29%、およそ3人に1人が月20時間を超えていました。同じ職場タイプでも、施設や配属で二極化しているということです。

てつん

ドラッグストアの「ほぼなしと激務が両方いる」感じ、すごく分かります。
店舗の人員が足りているかどうかで、天国にも地獄にもなるんですよね。求人票の時給だけ見ても、この差は読めません。

残業を職場タイプだけで判断するのは危険、というのがこの表の教訓です。「病院=激務」「薬局=定時」という決めつけよりも、同じタイプの中のどの職場かのほうが、実際の生活リズムを左右します。

【休日編】休みが取りやすいのはどこか

休日については、正直に前置きさせてください。

今回のアンケートでは、休日の取り方を勤務先ごとにクロス集計できるほどの人数が揃いませんでした

なので、まずは95人全体の傾向を見て、そのうえで職場ごとの肌感を自由記述から補います。

全体では、休みの形はきれいに割れました。

  • シフト制(平日休み):40%と最多
  • 完全土日休み:24%(4人に1人だけ)
  • 月1〜3回ほど土曜出勤:あわせて約32%
  • 年間休日の体感は「普通」が60%、「少ない・かなり少ない」が23%

完全土日休みは、思ったより少数派でした。ドラッグストアや薬局はシフト制や土曜出勤が入りやすく、平日に休む働き方が主流だからです。

自由記述でも、ドラッグストアの方から「正社員だと休みが少なく、休憩もまともに取れない」という声がありました。一方で調剤薬局の方からは「休日出勤がないので趣味に取り組める」という声も。同じ職場タイプでも、店舗ごとの差が大きいのが休日の実態です。

てつん

私自身、薬局に移って年収は上がりましたが、代わりに毎週土曜が出勤になりました。
病院時代は土曜出勤が月1回で済んでいたので、そこは正直「うっ」となった部分です。年収と休みは、けっこうトレードオフなんですよね。

つまり、土日休みを最優先にすると年収が下がりやすく、年収を優先すると土曜出勤が増えやすい。この綱引きをどう握るかが、職場選びの本丸です。「土日休みで年収も落としたくない」なら、求人を広く見て条件の良い枠を早めに押さえるしかありません。

てつん

「土日休みと年収、両取りしたい」という方は、こういう条件の求人を扱うエージェントに一度相談してみるのが早いです。
登録は無料で、話を聞くだけでもOK。今の自分の相場観がつかめます。

【満足度編】結局どこが幸せなのか

年収・残業・休日を見てきましたが、一番大事なのは「働いている本人が満足しているか」です。ここで面白い逆転が起きました。

勤務先(人数)満足以上不満以上
調剤薬局(42)57%7%
ドラッグストア(27)44%11%
病院(21)43%33%
企業(5)※参考値60%0%
勤務先別の満足度(「満足以上」=とても満足+満足/95人アンケート・2026年5月)

満足以上がもっとも多かったのは、企業(60%・参考値)と調剤薬局(57%)でした。企業は年収の高さがそのまま満足につながっているのでしょう。注目したいのは調剤薬局です。年収は突出していないのに、不満以上がわずか7%と、4職場で最も低い。残業が読みやすく休日出勤も少ない、という働きやすさが効いていると考えられます。

逆に厳しかったのが病院でした。不満以上が33%、3人に1人が満足していません。専門性は高くやりがいもある一方で、年収が伸びにくく残業が二極化している。この「割に合わなさ」が数字に出た形です。自由記述でも「責任の重さに給与が見合っていない」という病院薬剤師の声が目立ちました。

自由記述に出てきた、4職場のリアルな声

数字の背景を、回答者本人の言葉でも見ておきます。アンケートの自由記述から、それぞれの職場を象徴する声を1つずつ抜き出しました。

調剤薬局:残業が少なく休日出勤もないので、趣味や習い事に取り組める。役職が上がれば年収も上がりやすい。

ドラッグストア:OTCの相談やセルフメディケーションなど、地域住民の健康に直接関わる役割にやりがいがある。ただ正社員だと休みが少なく、休憩もまともに取れないことがある。

病院:専門性が高くやりがいも大きい一方で、年収が他業種より伸びにくい。人員不足が慢性化し、待遇が業務量に見合っていない。

企業:学術・開発職という選択肢を持つと、専門性を深めながら高い年収を狙える。ただし英語力やビジネス感覚も求められる。

読み比べると、満足度の数字がなぜあの形になったのかが腑に落ちます。調剤薬局は「働きやすさ」、企業は「年収と専門性」で満足を得ている。逆に病院は、やりがいを認めながらも待遇への引っかかりが言葉のはしばしに出ています。同じ「薬剤師」でも、満足の源泉がまるで違うのがよく分かります。

ここで押さえておきたいのは、年収の高さと満足度は必ずしも一致しないということ。調剤薬局のように「そこそこの年収+働きやすさ」で満足度が高い職場もあれば、病院のように「やりがいはあるが不満率も高い」職場もあります。満足度そのものをランキングで深掘りした記事もあるので、「勝ち組の職場ってどこ?」が気になる方はあわせてどうぞ。

4つの職場を見てきた私が思う「職場選びの結論」

データと、病院から薬局へ移った自分の実感を重ねて、結論を3つに整理します。

STEP
年収だけなら「専門性を活かせる企業」だが、椅子は少ない

企業は年収が頭ひとつ抜けていました(参考値ながら全員801万円以上)。ただし専門性をそのまま使える枠は競争率が高く、タイミングと運の要素が大きいのも事実です。私も企業転職を検討して面談を受けましたが、「枠を選べば道はあるが、完璧な枠は狙って取れるものではない」というのが正直な感触でした。

STEP
「年収×働きやすさ」のバランスなら調剤薬局が堅い

調剤薬局は年収の中央値帯が501〜600万円で、残業が読みやすく、満足度は最も安定していました。派手さはないけれど、生活が組み立てやすい。子育て中の私が今ここにいるのも、この「読みやすさ」が理由の大きな部分です。

STEP
病院は「今のやりがい」と「将来の年収」を天秤にかける場所

病院は年収が伸びにくく不満率も高めですが、臨床力という一生モノの武器が手に入ります。私自身、病院での経験は薬局でも活きています。大事なのは「いつまで病院にいるか」を自分で決めておくこと。なんとなく続けて年収の谷にはまるのが、一番もったいないパターンです。

年齢とともに年収がどう動くのか、20代から50代までのカーブも別記事で公開しています。「今の自分の年収は、この先どう変わるのか」を知っておくと、職場を変えるタイミングの判断がしやすくなります。

そして、どの職場を選ぶにしても私が伝えたいのは1つ。「今の職場が自分に合っているか」は、外の相場を知って初めて判断できるということです。転職しないとしても、年に一度くらいは自分の市場価値を確かめておく。これは病院薬剤師にも薬局薬剤師にもおすすめしたい習慣です。

働き方をもっと柔軟にしたい人には、正社員にこだわらない選択肢もあります。私は正社員として働きながら派遣の面談も受けてみたのですが、「週休3日+副業派遣」のような組み合わせを一緒に考えてくれて、視野が広がりました。休みを増やしたい・副業で収入を足したいという方は、こちらも覗いてみてください。

てつん

「もっと休みがほしい」「今の職場以外の働き方も知りたい」という方は、派遣という選択肢も見てみると視野が広がります。
LINEで求人が届くので、いい案件を見逃しにくいのも派遣ならではです。

よくある質問

薬剤師で一番年収が高い職場はどこですか?

今回の95人アンケートでは、企業が最も高く、回答した5人全員が801万円以上でした。ただし人数が少ない参考値です。調剤薬局・ドラッグストアは501〜600万円が中心、病院は400万円台に半数近くが集まりました。同じ職場タイプでも施設や役職で差が出るため、あくまで傾向としてご覧ください。

残業が少ない職場を選ぶならどこがいいですか?

「残業ほぼなし」の割合はドラッグストア44%・病院43%が高く、調剤薬局は14%でした。ただしドラッグストアと病院は月20時間を超える人も一定数おり、二極化しています。職場タイプよりも、応募先の店舗・施設の人員体制を面接で確認するほうが確実です。

病院薬剤師の満足度が低いのはなぜですか?

アンケートでは病院の不満以上が33%と最も高い結果でした。専門性ややりがいがある一方で、年収が伸びにくく残業が二極化していることが背景にあると考えられます。自由記述でも「責任の重さに給与が見合わない」という声が多く見られました。やりがいと年収のどちらを優先するかを、早めに自分で決めておくのがおすすめです。

土日休みで年収も下げたくない場合はどうすればいいですか?

今回のデータでも、完全土日休みは全体の24%と少数派で、年収と休みはトレードオフになりがちです。両取りを狙うなら、条件の良い求人を広く見て早めに動くのが現実的です。転職しない場合でも、年に一度エージェントで市場価値を確かめておくと、いざという時の判断が速くなります。最終的な判断は、ご自身の状況とあわせて慎重に行ってください。

まとめ:職場タイプより「同じタイプの中のどこか」で決まる

年収・残業・満足度は、職場タイプの平均より「個々の職場差」のほうが大きい

最後に、95人のデータからわかったことを整理します。

  • 年収の中央値帯は、調剤・ドラッグストア・病院で大きくは変わらない(501〜600万円が中心)
  • 企業だけは別格の高年収(参考値)。ただし枠は限られ、競争率が高い
  • 残業と休日は「職場タイプ」より「その施設の人員体制」で決まる
  • 満足度が一番安定していたのは調剤薬局、一番厳しかったのは病院
  • 今の職場が合っているかは、外の相場を知って初めて判断できる

「薬局は稼げる」「病院は激務」といったざっくりしたイメージは、半分当たっていて半分外れています。数字を見ると、同じ職場タイプの中でどの職場を選ぶかのほうが、あなたの年収と生活を左右します。だからこそ、比較の物差しを持っておくことが大事です。この記事が、その物差しの1つになればうれしいです。

あわせて読みたい

※本記事のデータは2026年5月にクラウドワークスを通じて実施した薬剤師アンケート(有効回答95人)に基づきます。回答者の構成や勤務先により結果は変動するため、薬剤師全体の傾向としてご参考ください。とくに企業(5人)は人数が少ないため参考値です。

※本記事は筆者個人の経験と、上記アンケートに基づく一般的な情報提供を目的としています。年収相場や転職市場は地域・時期により変動します。最新情報は各転職エージェントや公式統計データをご確認ください。転職や働き方の最終判断は、ご自身の状況に合わせて慎重に行ってください。

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