- 薬剤師95人の年代別アンケートで見る、20代→50代の年収カーブ
- 30代で年収500万円超えが約6割に増える「伸びどき」の10年
- 40代以降にカーブが緩やかになる「頭打ち」の実態
- 800万円超えが40代で初めて現れる理由と、職場による差
- 手取り20万円台から700万円台まで動いた、私自身の年収の変化
こんにちは、薬剤師ブロガーのてつんです。
「薬剤師の年収って、結局何歳まで上がるんだろう」
20代の頃、私がずっと気になっていたことです。私自身は大学病院レジデントの手取り20万円台からスタートして、30代で年収700万円台まで来ました。
ただ、これは私1人の話。もっと広く「年代ごとに年収はどう動くのか」を知りたくて、薬剤師95人にアンケートを取りました。
この記事では、その年代別データと私自身の実感を重ねて、薬剤師の年収カーブのリアルをお見せします。
薬剤師の年収カーブは「30代で上がって、40代で頭打ち」
30代で一気に上がり、40代以降はゆるやかに頭打ちになる
結論から言うと、薬剤師の年収カーブは30代でぐっと立ち上がって、40代以降はなだらかになる形をしています。医師や一部の大企業のように、年齢とともに青天井で伸びていく職種ではありません。
今回のアンケート(薬剤師95人・2026年5月実施)を年代別に見ると、その形がはっきり出ました。まずは全体像を表にまとめます。
| 年代(回答数) | 中央の年収帯 | 500万円超えの割合 | 800万円超えの割合 |
|---|---|---|---|
| 20代(17人) | 401〜600万円 | 約41% | 0% |
| 30代(45人) | 501〜600万円 | 約58% | 0% |
| 40代(23人)※参考 | 501〜600万円 | 約70% | 約13% |
| 50代以上(10人)※参考 | 501〜600万円 | 約70% | 約20% |
ポイントは3つです。
500万円超えの割合が「約4割→約6割→約7割」と上がっていくこと。
その伸びが30代でいちばん大きいこと。そして800万円超えは40代になって初めて出てくること。
ちなみに、厚生労働省の賃金構造基本統計調査でも、薬剤師の平均年収はおおむね580万円前後とされています。今回のアンケートの中央帯(501〜600万円)とほぼ重なる水準で、公的データと大きなズレはありません。
年代ごとの「動き方」を見るには、こうした平均像を頭に置いておくとわかりやすくなります。
この95人アンケートは、年収以外にも残業・休日・満足度・転職経験まで幅広く聞いています。全体像は別記事にまとめているので、あわせてどうぞ。

【20代】年収400〜600万円に集まるスタート地点
20代(17人)は、年収401〜500万円と501〜600万円にそれぞれ6人ずつ、あわせて7割が集まりました。500万円を超えている人は約41%。新卒〜中堅にかけて、多くの薬剤師が同じくらいの水準からスタートするのがわかります。
- 401〜600万円に約7割が集中(横並びのスタート)
- 500万円超えは約41%(半数弱)
- 600万円を超える人はごく一部(約6%)
- レジデントなど研修中は、これより低い水準からのスタートも
ただ、20代の入り口は人によってかなり差があります。新卒でドラッグストアや調剤薬局に就職すれば、1年目から400万円台に届くことも珍しくありません。
一方で、私のように病院で研修を選ぶと、スタートはもっと低くなります。
てつん私はレジデント時代、手取りは月20万円ちょっと。都内で家賃を払うと、残りで食費と光熱費、奨学金の返済でほぼ消えていました。同期が新卒薬局で400万円超えと聞いて、正直へこんだのを覚えています。
それでも、あの数年で身につけた臨床の経験が、後の年収交渉の土台になりました。20代は「今の額」より「この先どこで伸ばすか」を仕込む時期だと、今なら思えます。
研修という選び方の中身は、レジデントのメリットをまとめた記事に詳しく書きました。


【30代】年収がいちばん動く10年|500万円超えが約6割に
500万円超えが約41%→約58%へ。600万円台も24%に増える
今回のアンケートで最も回答が多かったのが30代(45人)で、全体の約半分を占めます。ここが年収カーブのいちばんの山場でした。
501〜600万円が15人(33%)、601〜700万円が11人(24%)。500万円を超えている人を合わせると約58%になり、20代の約41%から一段上がります。
601〜700万円という一段上の帯が、30代で初めてまとまった割合で現れるのが特徴です。
この時期は、役職がついたり、より条件のいい職場に移ったりと、年収が動くきっかけが重なります。
結婚・出産・住宅と、お金が必要になるライフイベントが集中するタイミングでもあります。



私も30代の入り口は病院薬剤師で、夜勤や月1回の土日出勤をこなして年収500万円台でした。結婚して、子どもを授かろうという時期に、この額で大丈夫かなと本気で悩みました。
動くなら今だと思って、調剤薬局への転職を決めたんです。
結果として、管理薬剤師を経て年収は700万円台まで上がりました。
ただ、これは「動いた」から起きた変化です。同じ職場に留まっていたら、500万円台のまま30代を過ごしていた可能性は高いと思います。データが示す30代の伸びは、多くの人が何らかの形で職場や役割を変えた結果でもあるはずです。
もし今、「このまま同じ場所にいていいのかな」と少しでも感じているなら、
今どんな求人が出ているかを見ておくだけでも判断材料になります。
実際に動くかどうかは、それから決めれば大丈夫です。
【40代】伸びが緩やかに|ここで初めて800万円超えが現れる
40代(23人・参考値)になると、カーブの形が変わります。500万円超えの割合は約70%まで上がるものの、中央の年収帯は501〜600万円のまま。30代からの「一段上がる」勢いは落ち着きます。
一方で新しい動きもあります。801万円以上が3人(約13%)と、40代で初めて現れたのです。
20代・30代では0%だった高年収帯が、ここで顔を出します。
- 500万円超えは約7割まで到達(多数派に)
- ただし中央の年収帯は501〜600万円のまま(伸びは緩やか)
- 801万円以上が初めて登場(約13%)
- 高年収帯は「職場」や「役職」で分かれ始める
この800万円超えが誰なのかは、勤務先別のデータにヒントがあります。
今回のアンケートでは、企業に勤める薬剤師(5人・参考値)が全員800万円以上でした。
調剤薬局・ドラッグストア・病院では800万円超えがほとんど出ていないので、高年収帯は勤務先の違いが大きいと考えられます。
「企業に行けば年収が上がるのか」というと、そう単純でもありません。私自身が企業転職を検討して面談を受けたときの話は、別記事にまとめています。


【50代以上】カーブはほぼ横ばい|年功では青天井にならない
40代とほぼ同じ水準。年齢だけでは伸びなくなる
50代以上(10人・参考値)は回答数が少ないので慎重に見る必要がありますが、傾向としては40代とほぼ同じでした。
500万円超えは約70%、中央の年収帯は501〜600万円のまま。801万円以上は2人(約20%)で、40代より少し増える程度です。
ここからわかるのは、薬剤師の年収は「年齢を重ねれば自動的に上がる」ものではないということ。40代で一度落ち着いたカーブは、50代でも大きくは動きません。年功序列で右肩上がりに増えていくイメージとは、少し違います。
裏を返せば、高年収帯にいる50代は「どこかで職場や役割を選び直した人」が多いと考えられます。年齢ではなく、選択の積み重ねが差になって表れる年代です。
年収カーブから見える「動くべきタイミング」
ここまでの年代別データを、私なりに一言でまとめると「上がるうちに動き、頭打ちの前に選ぶ」になります。なぜそう言えるのか、そしてどう動けばいいのかを整理します。
参考:私自身の年収カーブ
データだけだとイメージしにくいと思うので、私の実例も置いておきます。カーブの形は、アンケートの傾向とだいたい重なっています。
大学病院で3年間の研修。年収は同年代の平均よりだいぶ低い水準でしたが、臨床経験を積むことを優先しました。
夜勤や休日出勤を含めて500万円台。データの中央帯と同じあたりです。ライフイベントを前に「このままでいいのか」と悩んだ時期でした。
職場を変え、管理薬剤師として役割も変えたことで、年収帯が一段上がりました。「職場」と「役割」の両方を動かした結果です。
もちろんこれは1つの例で、誰でも同じように上がるわけではありません。ただ、「動かないまま」だったらこのカーブにはならなかった、というのは断言できます。
なぜ薬剤師の年収は頭打ちになりやすいのか
薬剤師の給与は、資格を持っていること自体が評価される代わりに、経験年数を積んでも上がり幅が小さくなりやすい構造があります。今回のアンケートの自由記述にも、こんな声がありました。
特に調剤薬局では、昇給の幅が小さく、管理薬剤師になっても手当が数万円上乗せされる程度で、将来的な伸び悩みが不安要素。(調剤薬局勤務・自由記述より)
医療現場では責任が重い仕事であるにもかかわらず、評価や給与の上がり方がゆるやか。(自由記述より)
だからこそ、同じ職場に居続けるだけでは、40代以降のカーブは平らになりがちです。
年収を一段上げているのは、多くが「職場」か「役割」を変えた人だと、データからも自分の経験からも感じます。
実際、今回のアンケートでは転職経験のある薬剤師は95人中64人(67.4%)でした。
3人に2人はどこかで職場を変えています。「動くこと」は、薬剤師のキャリアでは特別な選択ではなく、むしろ多数派なんですよね。勤務先ごとの年収・残業・休日の違いは、別記事で数字を並べて比較しました。


頭打ちを感じたら試したい3つの選択肢
同じ会社の中でも、管理薬剤師やエリアの管理職になると年収帯が変わります。まずは今の職場で上がり幅の上限がどこかを確認してみましょう。
職場を変えるだけで年収帯が動くのは、データが示すとおりです。今の水準が相場と比べて高いのか低いのか、まずは求人を見て確かめるところから。
すぐ転職しなくても、エージェントに登録して求人を眺めるだけで、自分の今の相場がわかります。私は半年に一度くらいのペースで確認しています。



企業転職を考えて面談を受けたとき、「専門性をそのまま使える枠なら年収は維持しやすい」と教わりました。
逆に未経験扱いの職種だと下がることもある。
要は、どの枠を選ぶかで年収は変わるということ。だから普段から情報だけは集めておくのが大事だと感じています。
「今の年収が相場より上か下か知りたい」
それだけでも、登録して求人を見る価値はあります。しつこい連絡もないので、まずは眺めるだけでも大丈夫です。
よくある質問
- 薬剤師の年収は何歳がピークですか?
-
今回のアンケートでは、伸び幅が最も大きいのは30代でした。40代以降は500万円超えの割合こそ高いものの、中央の年収帯は501〜600万円のまま横ばいに近く、年齢だけで大きく伸びる傾向は見られませんでした(2026年5月・95人調査)。
- 薬剤師で年収800万円を超えるのは難しいですか?
-
今回のデータでは、800万円超えは40代で約13%、50代で約20%と少数派でした。全体でも700万円超えは約6%にとどまります。高年収帯は企業勤務など勤務先の違いが大きく、職場や役割の選択が鍵になります(回答数が少ない年代は参考値です)。
- 年収を上げるには転職するしかないですか?
-
転職だけが答えではありません。今の職場で役職を目指す、担当領域を広げるなど、社内で年収帯を上げる方法もあります。ただ、上がり幅の上限は職場によって決まっている場合も多いので、相場を知るために求人情報を見ておくと判断しやすくなります。
- 20代のうちは年収の低い職場を選ばない方がいいですか?
-
一概には言えません。私はレジデントという「20代の年収を下げる選択」をしましたが、そこで積んだ臨床経験が30代の年収を押し上げました。20代は目先の額だけでなく、「30代でどの帯に乗れるか」まで含めて職場を選ぶのがおすすめです。
- このアンケートは薬剤師全体の傾向として見ていいですか?
-
あくまで有効回答95人の集計で、40代・50代は回答数が少ないため参考値です。回答者の勤務先や地域によって結果は変わります。ひとつの目安としてご覧いただき、最終的な判断はご自身の状況に合わせて行ってください。
まとめ|年収カーブは「動いた人」ほど上に伸びる
30代で上げ切る意識と、頭打ちの前に選び直す準備がカギ
薬剤師の年収カーブは、30代でぐっと上がって、40代以降はゆるやかになる形でした。年齢を重ねれば自動で上がるわけではなく、一段上の年収帯にいる人ほど、どこかで職場や役割を選び直しています。
私自身、手取り20万円台から700万円台まで来られたのは、才能でも運だけでもなく、「動くべきタイミングで動いた」からだと思っています。無理に急ぐ必要はありませんが、自分の年収が相場のどこにいるかを知っておくと、動くときの判断がずっと楽になります。
この記事で触れた「動いて年収を変えた」プロセスを、レジデント時代の手取り20万円台の暮らしから30代で700万円台に届くまで、包み隠さず書いたKindle本を出しました。
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自分の年収が今どのあたりにいるのか、まずは求人を眺めて確かめてみてください。相場を知るだけでも、次の一歩が見えてきます。
※本記事のデータは2026年5月にクラウドワークスを通じて実施した薬剤師アンケート(有効回答95人)に基づきます。回答者の構成や勤務先により結果は変動するため、薬剤師全体の傾向としてご参考ください。40代・50代など回答数の少ない年代は参考値です。また本記事は筆者個人の経験に基づくものであり、年収相場は地域・時期により変動します。最新情報は各転職エージェントや公的統計データをご確認ください。








