薬剤師になるためには、6年制の大学を卒業し、国家試験に合格する必要があります。しかし、大学の中には4年制の薬学部も存在しており、受験する際にどちらを選んだらいいか迷っている人もいるかと思います。そのため、この記事では薬剤師として働くためにはどんな大学を選んだらいいのかをまとめてみました。それではいきましょう!
4年制大学の薬学部では薬剤師になれない
4年制大学では薬剤師国家試験の受験資格がない
まず結論として、薬剤師として働くためには、6年制の薬学部に進学する必要があります。平成18年度までは薬剤師国家試験を受けるのに必要な大学の期間は4年であり、薬学部は4年制の大学のみが存在していました。しかし、平成18年度より学校教育法が改正され(平成16年5月21日公布)、大学の薬学教育制度及び薬剤師国家試験制度が変わり、薬剤師国家試験を受けるためには大学で6年間の修業が必要になったのです。
4年制の薬学部と6年制薬学部の違いは?
4年制薬学部は研究者を、6年制は薬剤師を養成する学部
ここでは静岡県立大学の例を参考にしてみます。静岡県立大学では薬学部の中に薬科学科(4年制)と薬学科(6年制)が存在しています。薬科学科では「創薬科学者への道を開く」というテーマが掲げられ、学部4年間を卒業した後、2年間の大学院への道を歩むことで製薬企業や化学・食品関連企業、大学、公的研究期間で研究・開発に携わる人材、行政や医薬品情報担当者など幅広く活躍する人材を養成することを目標としています。一方6年制の薬学科では「薬剤師・医療薬学研究者を目指す」というテーマとなっており、調剤薬局や病院、ドラックストアで働く薬剤師を養成することを目標とし、5年次には病院・薬局実習、6年次には基礎・臨床研究および国家試験対策を行なっていきます。
薬剤師になるにはどうやって大学を決めればいいの?
6年制大学を選ぼう!!
4年制から6年制への変更はほぼ不可能!
先述したように薬剤師になるためには6年制の大学へ進学する必要があります。薬剤師国家試験の変更に伴い、平成29年度までの大学入学者に限って、4年制大学を卒業した後、大学院修士課程(博士前期課程)を修了し、6年制学部・学科卒業者と同等以上の能力を持つだけの学習をしたと厚生労働大臣が個別に認める場合には国家試験受験資格が与えられるという救済処置がありました。しかし今後大学へ進学される人には当てはまらず、入学から6年制薬学部に入学する必要があります。一部大学では4年制薬学部から6年制薬学部への編入を許可している大学もありますが、基本的に6年制薬学部の定員数はシビアで編入制度があっても希望する人全員が編入できるわけではありません。つまり、薬剤師になるためには大学受験の段階で6年制大学を選ばないといけないのです。
薬剤師国家試験合格率で選ぼう!!
大学の新卒合格率80%が1つの目安
薬剤師国家試験の難易度は毎年難しくなってきており、既卒含め合格率を70%付近にするように調整されています。つまり、自分がどれだけ国家試験を頑張ったとしても、他の受験者の上位7割にいなければ不合格となってしまいます。そのため、大学がどれだけ国家試験対策をしてくれるかも重要です。具体的には大学別の国家試験合格率をみるといいでしょう。第106回薬剤師国家試験の結果では現役合格率1位は国公立大学で「金沢大学、東北大学」の100%、私立大学で「医療創生大学」の100%です。国家試験の合格率は約70%ですから、最低でも80%を超えている大学が目安となります。以下に厚生労働省のページをリンクしておきます。
このページでは、大学別の薬剤師国家試験合格率がまとめられていますので、参考にしてみてください。しかしこの数字にもカラクリが存在しています。それは「卒業試験」です。私立大学では卒業試験で国家試験を受かると判断された人にのみ受験を許可する大学も多いようです。そのため、大学の定員数と薬剤師国家試験受験人数に大きな乖離がある大学には注意が必要です。そもそも大学自体を卒業できないかもしれません。
学費で選ぼう!!
親の協力なしでは卒業できません
最後にシビアな話をします。一般的な大学は単位を取得してしまえば3〜4年次は就活およびほとんどバイトをするという大学生がほとんどだと思います。しかし、薬学部では年次が上がるほど時間がなくなっていきます。実務実習はもちろんのこと、学部の実習も授業も詰め込まれています。バイトにかけられる時間は土日のみと思っていた方が無難でしょう。となると生活費は親からの支援がとても重要になります。6年間の学費だけでも国立大学で約350万円、私立大学で約1240万円程度は必要です。そこに生活費も上乗せされると思うと、奨学金を借りる人が多いのではないでしょうか?しかし、奨学金は「借金」です。大学時代に1000万円もの奨学金を抱えている友人を何人か見てきました。大学生の時には気づかないかもしれませんが、1000万円の借金を返すのはとても大変です。シビアな話ですが1年浪人をしてでも国公立大学を選ぶという選択肢も必要かもしれません。
まとめ
今回は薬剤師になるための大学の選び方についてまとめてみました。薬剤師になるって実は簡単ではありません。医師、看護師の国家試験合格率が90%を超えている一方で薬剤師は約70%です。いかに大学選びが重要かがわかります。これから薬剤師を目指す人も、現在薬剤師として働いている人も親には感謝するようにしましょうね!
本日の処方箋枚数なし!! 祝日だからね!
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