薬剤師の年収事情 〜病院と調剤薬局の比較〜

 

今回は薬剤師の給料という切り口から病院薬剤師と調剤薬局を比較してみたいと思います。病院って安いと聞くけど本当?調剤薬局の年収ってどんな感じ?といった疑問を解決できればと思います。

こんな人におすすめ!
  • 病院に就職するか薬局に就職するか迷っている人
  • 薬局や病院への転職を考えている人
  • 薬剤師になりたい人
  • 子供を薬剤師にしたいお母さんやお父さん

それでは張り切っていきましょう!

目次

日本人の平均年収とは?

国税庁令和2年分民間給与実態統計調査より抜粋

日本人の平均年収は男性で532万円、女性で293万円

国税庁の調査によると年齢や業種を問わず平均した年収は男性で532万円、女性で293万円との結果が出ています。1年を通じて勤務した給与所得者の平均年齢は 46.8 歳(男性 46.8 歳、女性 46.7 歳) 、平均勤続年数は 12.4 年(男性 13.9 年、女性 10.1 年)です。この水準は過去大きく変化しておらず、今後も大きく変わることがないのではないかと考えられます。女性の平均給料は働き方改革により増加することが見込まれますが、男性の年収を超えることはなさそうです。

それでは次に業種別の平均給与を見てみましょう。

業種別は「電気・ガス・熱供給・水道業」が第1位で平均年収715万円ととび抜けて給料が高いことがわかります。

では「医療・福祉」はというと平均年収397万円と全体としては平均より低い年収という結果になっています。この背景には医療職もかなり幅広く、国家資格が必要な業種もあれば必要ない業種も存在しています。もちろん医者のみを抽出すればもっと年収は高くなります。

てつん

医療は多くのスタッフが関わっているから年収として比べにくいけど、電気やガス、水道関連の業態が年収1位とは驚きました!

薬剤師の平均年収は?

求人ボックスの給料ナビから抜粋

 薬剤師の平均年収は約496万円

「求人ボックスの給料ナビ」によると、薬剤師の平均年収は約496万円。日本の平均年収と比較すると同程度であることがわかります。

月給で換算すると41万円、初任給は24万円程度が相場のようで、アルバイト・パートや派遣社員では平均時給がそれぞれ1,979円、1,698円となっています。

しかしこの調査では調剤薬局や病院薬剤師の給料全ての中央値となっており、病院と薬局でどのくらい乖離があるかはわかりません。そのため、次に私の経験ではありますが、病院薬剤師と薬局薬剤師の給料について比較していこうと思います。

病院薬剤師と薬局薬剤師の年収比較

年収は「薬局>病院」新卒年収の差は100万円以上になることもある

病院薬剤師の月収・年収

初任給は手取りで20万円を切ることも・・・

私の経験ですが、病院薬剤師の初任給は月収で20万円程度。夜勤を月1回、残業を月20時間して額面23万円程度でした。就職して半年は夜勤もやらせてもらえず、残業もほぼない日々でしたので月収20万円を切る月もありました。

さらに最初に就職した大学病院では、家賃手当もなく奨学金の返済をしていたため正直貯金は全くできませんでした。

てつん

6年間大学で勉強してこの初任給か・・・と落胆したこともいい思い出です。

昇給は病院によって異なりますが私の勤務した病院では毎年月5000円程度の昇給がありました。

ボーナスは年合計4ヶ月分。年収に換算すると320万程度といったところだと思います。病院薬剤師の特徴は残業や夜勤の回数が給料に大きく影響することです。夜勤が月2回以上ある場合ですともう少し月収が上がります。

嫁様

病院勤務はどうしても残業と夜勤や休日出勤の回数が給料に大きく影響してるわね。私も看護師時代はたくさん夜勤をしたわ。

薬局薬剤師の月収・年収

初任給は病院より10万円程度高い30〜40万円が相場。だた地域によって多少異なる。

薬局薬剤師の年収は地域によってかなりの差があります。私の住んでいる地域では某ドラックストアの初任給は額面で34万円。病院と比較しても月10万円くらいは薬局の方が高いですね。もちろん賞与も存在しています。

そのため年収も病院薬剤師の年収より100万円くらい高400万円〜500万円のケースが多いです。

ただ薬剤師の平均年収495万円という数字からもわかるように、昇給はなかなか難しいことが知られています。昇給するためには管理薬剤師になったり、エリアマネージャーになったりと役職が重要です。しかし、管理薬剤師は薬局1つにつき1人ですし、エリアマネージャーになるのはもっと狭き門です。

今後は診療報酬の改定が進み、今まで以上に調剤薬局の利益が減る可能性があります。薬剤師は飽和し始めてきている現状から考えても、薬局薬剤師間で年収の格差は広がっていくことが予想されます。

てつん

奨学金を多く抱える学生が病院へ就職したくても給料のいい薬局へ就職することを余儀なくされており、薬剤師業界でも問題になっているんだ。

年収以外の福利厚生はどうなの?

病院では医療関係の福利厚生が厚い

私が実際に働いていた病院の主な福利厚生
  • 自院での診察代、医療費が無料(他院受診しても8割還元あり)
  • 院内保育園併設
  • 1時間単位の時間休制度があり、急な用事にも対応できる
  • 年中いつでも長期休みが取れる環境

病院では自院で診療すると診療代が無料になったり、医療費の8割を病院が負担してくれたりする病院もあります。病院の健康診断で病気が発見された場合、全て無料で治療ができます。その他歯医者や婦人科等、保険適応であれば全てに置いて8割還元されたため、医療費に困ったことは全くありませんでした。

てつん

公的保険で3割負担なのに、そこからさらに8割還元されるから喘息持ちの私にはとても助かる制度だったよ!

さらに保育園が併設されている病院も多く、仕事が終わるまで子供を預けておけます。もし子供が病気になってもすぐ小児科の先生が診療してくれますし、薬剤師の人数が薬局と比べて多いので急な子供の熱発でも休みや1時間休をとってお迎えに向かうこともできます。

嫁様

小さい子供ってすぐに熱発するから急なお迎えにも対応できるのは大きなメリットだわ

また、病院は土日祝休みのため予定を立てやすく休みをつなげる長期休みが取りやすいというメリットもあります。

薬局では生活費に関連する福利厚生が厚い

調剤薬局でよく見る福利厚生
  • 薬局内の商品が最大3割引で購入できる
  • 自身の処方箋薬代金が会社負担で無料
  • 住宅借上げ制度
  • 引越し補助

ドラッグストアに就職すると、ドラッグストアの商品が最大3割引になるという福利厚生があります。市販薬以外にも日用品や食品、化粧品までも最大3割引になるようです。仕事帰りにそのまま買い物をして帰れますし、買い物代が常に割引されるという制度は生活費の削減に大きな手助けとなります。

嫁様

化粧品が最大3割引・・・・魅力的すぎる!!

調剤薬局ではスタッフの処方箋分の料金を負担してくれたり、住宅借り上げにより家賃が月2万円前後で済んだり、薬局によっては引越し費用を援助してくれる薬局もあるようです。

ただ薬局は不規則なシフトワークや不定休の場合もあるため、急な休みに対応ができない点がデメリットとして挙げられます。

てつん

薬局は勤務薬剤師の数が少なく、急な休みには対応できない店舗も多いよ!

まとめ

年収は薬局>病院だが、働きやすさや福利厚生を考えると病院薬剤師も魅力的

今後は薬局薬剤師と病院薬剤師との年収差がさらになくなると言われています。具体的には薬局薬剤師の給料が減り、病院薬剤師の給料が上がることが予想されます。

しかし、薬局薬剤師も管理薬剤師になったり、認定薬剤師を取得したり自分へ付加価値を高めることでさらなるステップアップが期待できます。

病院薬剤師も薬局薬剤師も一長一短な部分が多く優劣付け難いです。薬剤師は転職しやすい業種です。私は両方を経験しています。それは自身の経験としても大切ですし、新しい世界が見えるのでとても楽しいです。

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