薬剤師の仕事って、「安定」とか「高収入」とか「薬出すだけで楽」等々案外軽視されがちな仕事です。今回は私の経験上薬局薬剤師ってしんどいなぁと思うことを記事にしていきます。今後薬局薬剤師になろうと考えてもらえる人の参考にしていただけたらと思います。
拘束時間が長い
薬局薬剤師の仕事で一番気になる点が「拘束時間が長い」ということです。
調剤薬局は門前クリニックの処方箋が8割のため、門前クリニックの開局時間に依存されます。門前クリニックが夜20時まで延びれば薬局の閉局時間も20時まで延びます。実際は最後の患者様が病院を出てから、薬局に来るまでなので、病院が閉まってから30分は開局している必要があります。ドラックストアや一部の調剤薬局はシフト制を敷いている薬局もありますが、薬剤師の少ない薬局では門前のクリニックが閉まるまで拘束されます。
さらに、門前クリニックがお昼時間閉院していても、薬局は開局していなければいけません。
基準調剤加算1の施設基準 抜粋
(3)当該保険薬局の開局時間は、地域の保険医療機関や患者の需要に対応できるよう、保険医療機関からの処方箋応需のみ対応したものでないこと。
つまり、門前のクリニックが閉まっていることを理由に調剤薬局を閉めてはいけないのです。
そのため、昼休みはグレーであり患者が来たらもちろん対応をしなければなりません。薬局によっては休憩時間が曖昧な薬局も存在します。
医者に疑義をすると怒られるケースもある
疑義照会とは・・・
薬剤師が処方箋を元に調剤を行う際、処方箋の記載に疑問点や不明点を感じた場合に処方箋の作成者に対して内容の確認を行うこと。
デジタル大辞泉 (小学館)
添付文書の記載内容と異なる使い方をする薬を調剤する時には、薬剤師が医師に確認をする義務があります。
薬にも色々な使い方があり、医師の経験から処方される薬も多々ありますが、添付文書に載っていない限り嫌でも医師へ確認をする必要があります。
そのため、医師へ電話をすると、「私が処方した薬の何が問題なの!?」とか「そんなことで電話をしてくるな!!」と怒られることも珍しくありません。
薬剤師の仕事は確認が大きな仕事です。「こんなことで医師に電話したくない・・・」といった内容でも電話をする必要があるのです。もちろん優しい医師も存在していますが、薬局からの電話ということだけで初めから怒り口調の医師がいるのも事実です。目の前のクリニックといい関係性が築けている調剤薬局であればある程度医師へ相談や疑義照会もしやすいですが、ドラックストアや面で受けている薬局では医師の顔もわからないような病院へ電話をすることも多いため、疑義照会をすることがストレスになることも多いようです。
人間関係のトラブルは取り返しがつかない
薬局の職場環境は狭く、1つの薬局では多くてもスタッフは10人です。小さい薬局であれば薬剤師1人事務1人の2人で薬局を運営することもあるため、最優先事項に人間関係があります。
家族よりも職場のスタッフと過ごす時間の方がはるかに多くなります。結果、一度人間関係を悪化させると毎日がストレスです。
大きな企業であれば1人気の合わないスタッフがいたとしても他の人が居るので気を紛らわすことができます。しかし、薬局では逃げることができません。逃げるためには転職をするしかないのです。私は幸いにも現在は人間関係に困っていませんが、知り合いの薬局では「薬局内で会話を交わさない」「薬局内恋愛が泥沼化している」といった状況を聞きます。
自己研鑽にはお金も必要
薬剤師になると、薬の専門家として日々勉強が必須になります。毎年、毎月のように新薬は出てきます。ジェネリック医薬品やバイオシミラー、オーソライズドジェネリックも出てきており、覚えることが増えていく一方です。
勉強をするためにはオンライン勉強会やイーラーニングもありますが、どれも参加費用がかかります。勉強した証である専門薬剤師の認定資格を取得するためにも勉強する費用はもちろんのこと、申請費、更新費がかかります。
資格には毎年学会に参加しなければ更新できない場合もあり、学会に参加するだけで参加費と交通費、宿泊費で2万円程度はかかります。さらに資格が昇給に影響するのかと言われるとそんなこともないのです。
日々の自己研鑽のために年間1〜10万は必要と考えておくべきです。
まとめ
今回は薬剤師ってつらいな、大変だなと思うことを挙げてみました。この内容は私自身が感じた内容でもあるため、細かく言えばもっとたくさんあるかもしれません。
しかし、事前に薬剤師の大変なことを理解してから就活に挑むだけで薬局をみるポイントがわかります。在籍薬剤師人数を見たり、どの病院から処方箋を受けることが多いのか、自己研鑽はどこまで会社が負担してくれるのか、昇給に資格は影響するのか、そんな視点からも薬局をみることで少しでもブラック薬局を避けることができます。
今薬剤師で今後転職をしたいと考えている人にとっても転職活動の際は参考にしてみてくださいね。
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