薬剤師レジデントについて詳しく解説! 〜薬剤師の卒後研修制度〜

近年、医師のように薬剤師も卒後研修制度が必要なのではないかという動きが出てきている。このブログでは私自身が実際薬剤師レジデントとして大学卒業後3年間研修を行った経験を記事にしていきます。このブログを最後まで読んでいただくと「薬剤師のレジデント制度って実際何をするの?」「レジデントってどこで募集しているの?」「レジデントの給料は?」といった疑問を解消できます!

目次

薬剤師レジデントとは

研修医の薬剤師バージョン!つまり、薬剤師の卒後研修制度

薬剤師レジデント制度とは、大学卒業後に病院で薬剤師として働きながら研修を受け、資質を向上させる制度。日本では2002年に北里大学病院が導入し始めたことをきっかけに、大学病院や比較的病床数の大きい病院が導入しています。米国の制度を参考に、1年目は一般的な領域を広く学び、希望者は2年目に進んで専門的な領域を学ぶという段階的な研修プログラムを構築している病院が多いですが、3年のカリキュラムを立てている病院や6ヶ月のみの研修等、病院によって研修スケジュールが大きく異なっています。薬剤師レジデントの大きな特徴は「新卒以外でも構わない」ところ。勉強したい意欲がある人を積極的に受け入れていますが、実際私の同期は全て新卒であったことを考えると、「大学卒業後の卒後研修」という意味合いが強いと考えられています。

どの病院で実施されているの?

レジデント制度を導入している病院は全国で40施設以上。ただ時期によって採用の有無が異なっています。以下のサイトから現在募集のかかっている施設がわかるため、参考にしてください!!

薬剤師レジデント実施施設一覧 日本薬剤師レジデント制度研究会

レジデントは臨時職員扱い。正規職員になれないことも・・・

病院によっては正規職員に採用される登竜門としてレジデント制度を導入している場合もあります。新入職員は例外なく全員レジデントとして採用され、正規職員の枠が空いた場合に正規職員としての採用が決まるため、正規職員の枠がない場合は枠が空くまでレジデントとして待つ必要があります。

レジデントって実際どんなことをするの?

レジデント制度は各病院によってカリキュラムが大きく異なっています。そのため、自分の検討している病院ホームページからどのようなカリキュラムで行われているのかを調べることがおすすめ!!!!しかし、「それではイマイチわかりにくい!!」という人もいると思うので、私の経験した大学病院のスケジュールを参考にしてください。

レジデント1年目 〜中央業務全般〜

1年目は一切病棟に上がりません。

調剤室や注射室、医薬品情報室等の中央業務全般を行います。調剤室に約半年、注射室に約半年、医薬品情報室に1週間程度配属され薬剤師として必要な知識や一般的な業務を満遍なくできるようにしていきます。もちろん間でTPNの混注や抗がん剤の混注も行うことでレジデントにできない仕事はないようにしていきます。全ての業務にチェックリストが存在しており、チェックリストを用いて業務理解度を確認していました!

1年目の終了時には中央業務はほぼ完璧にこなすことができるようになります。医師からの電話対応はもちろんのこと、病院のシステムに関わることも理解した状況になるので医師や看護師からの質問にはほぼ答えられる状況になります。

レジデント2年目 〜病棟薬剤業務〜

1年間で3つの診療科を4か月毎にローテーション

2年目からはやっと病棟に上がります!!。4ヶ月周期で「悪性腫瘍」「外科」「内科」全てを網羅できるように病棟を異動していきます。私は「精神科」「血液内科」「心臓血管外科」に4ヶ月毎配属され病棟薬剤業務を行いました。もちろん病棟でわからないことがあれば先輩薬剤師や先輩レジデントが色々と教えてくれます。4ヶ月目には配属された病棟での症例報告を全薬剤師の前でパワーポイント形式で発表をし、先輩薬剤師からさまざまな指摘を受けることで更なるレベルアップになります。4ヶ月という期間は正直あっという間で、少し短いような気がしたが、3病棟を1年でまわるとさまざまな疾患に触れられるため、幅広い知識が増えていくことを実感できました!

レジデント3年目 〜専門性を高める〜

より専門性を高め、研究や資格の獲得へ

3年目からは1年間同じ病棟を受け持ちます。私は「糖尿病内科」を受け持ちました。1年間同じ病棟を受け持つことで医師や看護師と良好なコミュニケーションをとることができ、病態への理解が進みます。余裕のある薬剤師は研究にもチャレンジし、臨床研究の一歩を踏み出すきっかけになります。病院によっては研究必須になっていることもあります。私は研究にはチャレンジしませんでしたが、1年間糖尿病内科で学び「糖尿病療養指導士」という資格をとることができました!

レジデントの給料ってどうなっているの?

病院によっては給料なし、むしろレジデント側が支払うことも・・・

レジデントの給料も病院によってかなりの差があります。収入ゼロの病院もあれば、時給で給料が支払われるケース、逆に病院へお金を払わなければならない病院もあります。私の場合は時給1500円で支払われ、家賃手当やボーナス、退職金もなしでした。夜勤は月1回程度行い、残業も含め手取り24万程度。1年目は手取り20万を切ることもよくあり、正直貯金もできない日々を過ごしたことはいい思い出です。

まとめ

いかがだったでしょうか?薬剤師レジデントは卒後教育の一環であり、病院薬剤師の業務をすべて網羅でき薬剤師として大きくレベルアップできるいいシステムです。しかし、実際の業務内容は正規職員と変わらないため「正規職員と同じことをしているのにボーナスがない!!!」と不満に思い、仕事の大変さからやめたいと思ったこともたくさんありました。しかし今となってはレジデントを経験してよかったなと感じています。

本日の処方箋枚数「12枚」薬局の営業自体が半日だったししょうがないよね。

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