薬剤師レジデントの年収リアル|源泉徴収票と15病院比較で解説

月23万から700万台へ。源泉徴収票と全国15病院比較で薬剤師レジデントの年収のリアルを解説
この記事からわかること
  • 薬剤師レジデントの年収相場(月19万〜31万の幅がある)
  • 経験者の源泉徴収票で見るリアルな手取り額
  • 全国15病院のレジデント給与を一覧で比較
  • 給料以外に確認すべき「6つの判断軸」
  • レジデント経験者が10年後の今、どう評価しているか

こんにちは、薬剤師ブロガーのてつんです。

私は大学病院で3年間の薬剤師レジデントを経験しました。レジデント時代の1年目の年収は約212万円。源泉徴収票が手元に残っています。

「レジデントの給料で生活できるの?」

「病院によってそんなに差があるの?」

この記事では、私自身の源泉徴収票と全国15病院の給与データをもとに、レジデントの年収のリアルをお伝えします。

この記事を書いた人
  • 大学病院レジデント3年→調剤薬局で管理薬剤師
  • レジデント年収200万円台→現在700万円台
  • 転職3回・エージェント5社以上利用
  • 糖尿病療養指導士・公認スポーツファーマシスト
  • 詳しい運営者情報は「こちら」

       てつん

目次

薬剤師レジデントの年収はいくら?結論から

月額19万〜31万円、年収228万〜390万円が相場

薬剤師レジデントの給与は、施設によって大きく異なります。結論から言うと、月額19万〜31万円、年収に換算すると約228万〜390万円が2025年度募集ベースの相場です。

ただし、これはあくまで「給料が出る」施設の話。東京大学病院のように、逆にこちらが研修料を支払うケースもあります。

てつん

正直、同期で新卒薬局に就職した友人が年収400万超えと聞いて、複雑な気持ちになったのを覚えています。でも、あの3年があったから今がある。

新卒薬剤師の平均年収が約400万円前後(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」参照)であることを考えると、レジデントの給料は明らかに低水準です。それでもレジデントを選ぶ価値があるのかどうか、私の3年間の実体験とデータで検証していきます。

【源泉徴収票公開】私のレジデント1年目のリアル

実際の数字をお見せします。これは私のレジデント1年目の源泉徴収票(個人情報は黒塗り)です。

源泉徴収票の読み方
  • 給与・賞与の合計:2,125,875円(約212万円)
  • これは4月〜12月の9ヶ月分(1月〜3月は薬学生)
  • 月額換算:約23.6万円
  • 手取りは月22〜23万円程度

月23万円台。一人暮らしなら家賃を払って、食費・光熱費を引いて、残るのはわずか。貯金なんてほぼできませんでした。

てつん

都市部で家賃7〜8万円。残り15万円で食費・光熱費・通信費・奨学金返済……。飲み会に行く余裕すらなかったですね。でも、せっかく都会にいるんだから遊びたい気持ちもある。その葛藤がずっとありました。

「生活できるのか?」という不安は、レジデントを検討するなら避けて通れない問題です。2025年度時点の情報ですが、この記事の後半で全国の病院別給与を比較していますので、自分が検討している施設の水準を確認してみてください。

3年間の年収推移|夜勤月2回で年収330万の現実

STEP
1年目:年収約212万円(9ヶ月)

4月入職。研修プログラムに沿って各科をローテーション。夜勤はまだなし。月額約23.6万円、手取り22〜23万円。ボーナスは出ない or 寸志程度でした。

STEP
2〜3年目:年収約330万円

夜勤が月2回ほど入るようになり、夜勤手当分で少し収入が増加。ただし劇的な昇給はなく、年収330万円程度。同期の薬局勤務と比べると100万円以上の差がありました。

STEP
レジデント修了後:年収700万円台へ

レジデント修了後、地域中核病院を経て調剤薬局へ転職。管理薬剤師→管理職と段階的にキャリアアップし、現在は年収700万円台。レジデント時代の2倍以上になりました。

てつん

「このままの年収で結婚できるのか?」と本気で悩んだ時期がありました。レジデント2年目、周りの友人が結婚していく中で、自分だけ年収300万円台。焦りましたね。

振り返ると、1年目→2〜3年目で年収は約120万円アップしています。ただこの上昇幅のほとんどは夜勤手当によるもの。基本給自体はほとんど変わりませんでした。

レジデント期間中の年収だけを見ると厳しいのは間違いありません。

でも、その先にどんなキャリアが待っているかは、

レジデント修了後の転職で年収700万台になった話で詳しく書いています。

全国15病院のレジデント給与比較表【2025年度版】

ここからがこの記事のメインコンテンツです。日本薬剤師レジデント制度研究会(JSPRP)の実施施設一覧をもとに、各病院の公式募集要項から給与データを収集しました(2025年度募集ベース・2026年5月時点の情報です)。

最高と最低の差は月額35万円以上

病院名月額賞与備考
大分大学約31.9万年俸に含む年俸制382.8万
群馬大学31.8万年俸に含む年俸制381.8万
国立がんセンター30.2万〜31.0万月給1ヶ月/年経験で昇給あり
名古屋大学約30万非公開
北里大学28.4万年2回嘱託職員
京都大学約26.9万期末勤勉手当
東京ベイ25.3万年4.0ヶ月賞与込み年収高い
広島大学約25.1万非公開契約研修薬剤師
千葉大学約24.5万非公開日給12,250円換算
順天堂大学約24.5万非公開基本20万+手当
東京女子医科大学約23.4万非公開時給1,500円×39h
亀田総合病院23.1万非公開修了後は常勤
昭和医科大学19万なし退職金もなし
東京大学−3.3万なし研修料を自己負担
出典:各病院の公式募集要項(2025年度版)より筆者調べ。正確な最新情報は各施設の募集要項をご確認ください。
てつん

私の実績(月約23.6万円)は、表で見ると中間〜やや下の水準でした。東京女子医科大学の公式募集値(約23.4万円)とほぼ一致しているので、源泉徴収票の数字にも信ぴょう性があると思います。

なお、給与が「非公開」で掲載できなかった施設も複数あります。

筑波大学・NTT東日本関東病院・横浜市立大学・神戸大学・福岡大学などは、問い合わせないと金額がわかりません。

「聞かないとわからない」ということ自体が、これから応募する方にとって重要な情報です。

給料だけで選ぶと失敗する?知っておくべき6つの視点

比較表を見て「じゃあ給料が高い病院にしよう」と思った方、ちょっと待ってください。

給料の数字だけで選ぶと、入ってから後悔する可能性があります。

レジデント経験者として、お金以外に確認すべきポイントを6つ挙げます。

① 研修期間|東大は半年、私は3年を選んだ

レジデントの期間は施設によって1年〜3年とバラバラです。東京大学は6ヶ月(自己負担付き)。一方で、私が選んだのは3年間のプログラムでした。

期間が短ければ早く稼ぎ始められますが、その分学べる範囲は限られます。期間が長いほど経済的にはきつくなりますが、より幅広い業務を経験できます。

② 福利厚生|家賃手当と交通費が地味にデカい

月額給与だけ見ると同じくらいでも、家賃手当や交通費の有無で手元に残るお金は大きく変わります。たとえば家賃手当が月3万円あれば、年間36万円の差。これは月額給与3万円の差と同じインパクトです。

比較表の数字には各種手当が含まれている施設と含まれていない施設があるので、必ず募集要項で詳細を確認してください。

③ 夜勤の有無|お金は増えるけど勉強時間は減る

私は2年目から夜勤が月2回入り、年収が約120万円上がりました。夜勤手当は収入面ではありがたい一方で、生活リズムは乱れます。翌日の勉強時間も削られます。

レジデントの目的が「学ぶこと」である以上、夜勤の頻度は確認しておくべきポイントです。

④ 正社員登用の有無|レジデント=登竜門の病院もある

病院によっては、レジデント修了後にそのまま正社員として採用されるケースがあります。千葉大学は「修了後、任期付き常勤への登用可能性あり」と明記していますし、亀田総合病院も「修了後は常勤薬剤師」と書かれています。

レジデント期間中は給料が低くても、その先にポストが用意されているなら、トータルのキャリア設計として悪い選択ではありません。

⑤ 勉強環境|お金をもらう=業務もやるということ

てつん

これ、入ってから気づいたんですが、お金をもらうということはイコールで社会人として働くということなんですよね。「勉強しにいく」と「業務をこなす」の両方をやらないといけない。この現実は知っておいた方がいいです。

給料が高い施設は、その分だけ「戦力」として期待されている可能性があります。拘束時間が長かったり、業務量が多かったりするかもしれません。

せっかくレジデントをやるなら、しっかり勉強できる環境がベスト。お金と勉強時間のバランスが取れた「いい塩梅」の場所を見つけることが大事です。

⑥ 副業できる?|病院は基本NGだけど……

てつん

実は、私の病院も副業NGでした。でも正直、レジデントの給料だけでは生活がギリギリで。生活費の補填と、せっかく都会にいるんだし遊びたい気持ちもあって……調剤薬局でバイトしていた時期があります。

病院は基本的に副業禁止のところが多いです。レジデントという立場上、なおさらNGというケースも少なくありません。

副業でカバーできる前提で考えるのは危険です。月額給与+福利厚生だけで生活が回るかどうか、事前にシミュレーションしておくことを強くおすすめします。

ちなみに、副業先の調剤薬局を探すときに転職エージェントを使いました。

パート・バイト求人も扱っているので、意外と便利でしたよ。

てつん

レジデント中でもエージェントに登録しておくメリットはあります。副業先を探すだけでなく、修了後の転職先の情報収集にもなりますから。

私が「3年」のレジデントを選んだ理由

てつんが3年を選んだ理由
  • 1年では全ての薬剤師業務を網羅するのは不可能だと思った
  • しっかり勉強できる環境を最優先にした
  • 「お金」と「学び」のバランスを取れる場所を選んだ

レジデントのプログラムは1年・2年・3年と施設によって異なります。短いプログラムはその分早く「正規の年収」をもらい始められるメリットがあります。

でも私は、あえて3年を選びました。

てつん

1年で全ての薬剤師業務を網羅するのは不可能だと思ったんです。病棟業務、調剤、DI、TDM、がん化学療法……。これを1年で回すのは、どう考えても表面をなぞるだけ。3年あれば各分野にしっかり時間を使える。

結果として、この3年間で身につけた臨床スキルがレジデントのメリットそのものでした。病棟で医師とディスカッションした経験、がん患者への服薬指導、夜間の緊急対応——すべてが今の管理薬剤師としての仕事に活きています。

ただし、3年間は長いです。その間の年収は200〜330万円。経済的な覚悟は必要でした。

てつん

お金をもらうということは、社会人として業務もこなすということ。「勉強しにいく場所」と思って入ったけど、現実は「勉強」と「業務」の両立。この意識のギャップに最初は戸惑いました。でも、その経験があったからこそ、薬局に転職してからすぐに戦力として動けたんだと思います。

レジデントは「キャリア投資」|年収700万台の今振り返って

レジデントの3年間を終えた今、あの選択をどう評価しているか。

短期の年収を捨てて、長期のスキルを取った判断は正解だった

レジデント3年間の年収は、ざっくり合計すると約870万円(212万+330万+330万)。同期が薬局で稼いだ3年分は約1,200万円以上でしょう。差は約300万円以上。

でも、レジデント修了後のキャリアでその差は逆転しました。管理薬剤師として初年度から高めの年収をもらえたのは、レジデント時代の経験があったから。薬剤師の年収は職場で決まると言われますが、それ以上に「何を経験してきたか」が年収交渉の武器になります。

レジデントがキャリア投資になる理由
  • 専門スキルが身につき、転職時の年収交渉で有利になる
  • 認定薬剤師・専門薬剤師の取得に直結する経験が積める
  • 病棟・DI・TDMなど幅広い業務を経験でき、どの職場でも即戦力になれる
  • 「レジデント修了」の肩書き自体が信頼の証になる
てつん

レジデント時代のリアルな年収や経験をもっと詳しく知りたい方は、私が書いたKindle本「薬剤師レジデント3年間のリアル」もぜひ読んでみてください。この記事では書ききれなかった日常の葛藤や、修了後のキャリア選択の裏側まで全部書いています。

近々、Kindle本を出します

レジデント3年間の苦悩と、そこで得たもの。
『手取り20万の薬剤師が30代で年収700万円台になれた理由』として近日Kindleで発売予定です。発売のお知らせやレジデント時代のこぼれ話は、X @tetsun_pha で発信しています。

あわせて読みたい

レジデント修了後のキャリアが気になる方は、こちらの記事もおすすめです。

レジデントを修了したあとの転職先を探すなら、エージェントに早めに相談しておくと選択肢が広がります。

てつん

レジデント中から登録しておいて、修了のタイミングで動けるようにしておくのが理想です。私も在籍中にエージェントを使い始めました。


※本記事は筆者個人の経験に基づくものです。給与データは2025年度の各病院公式募集要項から収集しましたが、年度により変動する可能性があります。最新情報は各施設の募集要項をご確認ください。転職市場や年収相場は地域・時期により変動します。最新情報は各転職エージェントや公式統計データをご確認ください。

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