こんにちは!薬剤師ブロガーのてつんです。4月も終わり、少しずつ職場の環境や仕事にも慣れてきた人が多いと思います。今までは仕事を覚えるので精一杯だったかもしれませんが、薬剤師は勉強が切っても切り離せません。早く先輩薬剤師に追いつくためにも日々自己研鑽をしていきましょう!今回は勉強を始めるのにオススメな書籍を紹介します。自分が専門にしたい領域がまだ決まっていない人も大丈夫。
それでは張り切っていきましょう!
全ての領域を一冊に集結。「薬剤師レジデントマニュアル」
疾患や治療薬に関する基本的な情報に加え、現場で役立つ
「薬剤師による薬学的ケア」・「処方提案のポイント」が
充実したマニュアルになっています。
- 入職して1〜3年目
- 自分の専門領域が決まっていない
- 広く浅くいろんな領域の勉強をしたい
- 何から勉強していいかわからない
特徴① 全ての領域を広く浅く1冊に集結
呼吸器、消化器、内分泌、整形等の主要54疾患について広く浅く学んでいくにはもってこいの本。
各領域の疾患はもちろんのこと、がんや緩和はそれだけで 1 章を構成する充実した内容になっていることもこの書籍のいいところ!
新人薬剤師にまず目指してほしいのは全ての領域を広く浅く理解しているジェネラリスト薬剤師。
処方監査をするにも当直をするにも全般的な治療法は知っている必要があります。この1冊をしっかり学んでいけば各領域における必要最低限の知識は身に付きます!
さらに「薬剤師による薬学的ケア」「処方提案のポイント」の項目には新人薬剤師としての一つのハードルである処方提案や疑義照会をする際に非常に心強い内容になっており、薬剤師の背中を押してくれるに違いない内容になっていることもおすすめのポイントです。
特徴② 持ち運びに便利なポケットサイズ
医学書院出版のマニュアルシリーズに共通する特徴の一つは持ち運びに便利なところ!
白衣のポケットにぎりぎり入るサイズに設計されており、病棟でささっと調べ物をしたい時にもおすすめの1冊になっています。医師のカルテを見て、「これどういう意味だろう?」「この治療は一般的なんだろうか?」といった疑問を持った際に辞書感覚で使用することがおすすめです。
特徴③ 付録が充実
メインのパートももちろん充実してとてもいい本ですが、付録が充実しているのもいいところ。
中でも専門書にしかないような「妊婦・授乳婦への薬物投与」について付録に記載があり、突然医師から電話で問い合わせが来た場合でもある程度対応ができます。
ステロイドの力価一覧も、「常に持ち運ぶ必要はないけど、たまに使いたい」という薬剤師の欲求に応えるかのように付録として収載されており、あれもこれも持ち運びたくなる薬剤師にとってはこの1冊さへあれば安心できると思います。
充実した内容なのに4000円弱と専門書にしては安価なのもいいよね!
「薬局ですぐに役立つ」薬の比較と使いわけ100
薬局は様々な病院からの処方箋を受け付けることも多く、1200品目以上の薬を備蓄している薬局も増えてきているため使いわけが大事になります。
病院の場合、採用薬のみで完結するため選択肢がそれほど多くないですが、薬局は薬価収載品目全ての知識を満遍なく習得している必要があります。そこで活躍するのがこの本です!
- 同種同効薬の使いわけを知りたい
- 患者個別のパラメーターに応じた薬の選択をしたい
- 薬剤師として医師に提案できる能力をつけたい
- すぐに服薬指導で役に立つ知識がほしい
特徴① 薬局ではもちろん病院でも役に立つ充実の100テーマ
『アムロジン』『ワソラン』『ヘルベッサー』これらの薬の違いをパッと喋れる薬剤師ってどれほどいるのでしょうか?
同じ降圧薬の中でも、降圧効果や持続時間、血管や心臓の血管に与える影響は異なります。そういった同種同効薬の使いわけを100テーマ解説されています。
ドラックストアでも販売されている抗ヒスタミン薬や少しマイナーな向精神病薬の使いわけまで幅広く網羅しています。
様々な薬を採用している薬局はもちろんのこと、採用品目の限られている病院であってもプロトンポンプ阻害剤とH2ブロッカーの違いや個々の下剤の特徴についてはとても参考になります。
図や表も多く、隙間時間で気軽に読めるようなレイアウトもおすすめのポイントです!
特徴② 随所随所に盛り込まれた「こぼれ話」が面白い
各テーマの末尾に「こぼれ話」が載っています。例えば、ステロイド点鼻薬のテーマでは、
「子供がアラミストを倍量で使用すると身長の伸びが0.27cmほど減るとの報告があります。」
といったこぼれ話が記載されています。
治療には直接役立つ項目ではないかもしれませんが、知っていると患者の心を掴むような「薬学豆知識」が載っているため、こぼれ話だけ拾って読んでいっても面白いです。
特徴③ 医師への提案能力が上がる
腎機能・肝機能に応じた薬剤選択はもちろんのこと、患者の内服コンプライアンス向上や副作用軽減のための代替薬提案にかなり役立ちます。
例えば、湿布の中にも光線過敏症の副作用報告が多いものと少ないものがあります。
日中に外にでていることの多い仕事をしている人にはできるだけ光線過敏症の報告が少ない薬剤を選択したいですよね。
この本にはそんな日頃の生活に密着した薬剤の使いわけも記載されています。
患者さんとコミュニケーションをとる中で得られる情報はたくさんあります。得られた情報から薬剤を選択して提案できることが薬剤師の職能であり、世の中に求められている薬剤師像です。
病院勤務や薬局勤務関係なく薬剤師としての知識を向上させてくれるいい本だよ!
ただ本のサイズが大きいことだけがネックだね。
番外編:抗がん剤に特化した1冊「がん化学療法レジメン管理マニュアル」
今まで紹介した2冊にこの本を合わせて読み込めば薬剤師として大きく成長できるに間違いなし!
しかし、薬剤師が職能を発揮できるおおきな領域の一つが「がん領域」。
病院なら必須ですし、外来化学療法が増えてきている今、どの薬局でも必要な知識になりつつあります。そこでこの1冊。最初に紹介した「薬剤師レジデントマニュアル」と同じ出版社から出ている書籍ですが、抗がん剤治療に特化して処方監査ポイントや服薬指導のポイントがわかりやすく記載されています。
- 抗がん剤の服薬指導をする
- 代表的なレジメンを知りたい
- 抗がん剤処方監査のポイントが知りたい
- がん化学療法の勉強をしたい
特徴① 処方監査のポイントが役立つ
レジメン毎の処方監査のポイント・減量基準がわかりやすく記載されているので、レジメンの処方監査はこの本を見ればバッチリです。
休薬期間やスケジュールも表になって記載されていますし、制吐剤等の必要な支持療法も網羅されています。
白衣のポケットに入るサイズなので病棟で突然医師や看護師に質問をされても対応できます。病院薬剤師には必需品と言っても過言ではない1冊になっています。
医学書院シリーズだから白衣のポケットに入るのね!
そのままクリーニングに出さないように注意が必要よ!
特徴② レジメン毎特有の副作用・対策方法も記載
抗がん剤の副作用は多岐に渡ります。吐き気や骨髄抑制はもちろんのこと、末梢神経障害や手足症候群、免疫チェックポイント阻害薬に特有の副作用やその対策まで記載されています。
各種副作用の出やすい期間は表になって記載されており、毎日患者の状態を確認できる病院薬剤師のみならず来局したタイミングのみしか患者と関わることのできない薬局薬剤師にも時期に応じた服薬指導を行うことができます。
薬局薬剤師と病院薬剤師の連携「薬薬連携」にも薬局薬剤師の副作用モニタリングは重要だよね!
特徴③ 複数の薬剤師が監修しているからこその服薬指導ポイント
服薬指導も薬剤師として患者をモニタリングしてほしいことが簡潔に記載されており、すぐに臨床へ応用できます。この本に載っている副作用の状態を患者から聞き取り、服薬指導をし、カルテに記載すればそのまま完璧な薬歴が完成するでしょう。薬局薬剤師であっても、突然やってきた抗がん剤処方に対しこの本があれば堂々と服薬指導をすることができますし、自信を持って病院へフィードバックすることができます。
病院でも薬局でも抗がん剤についてはこの1冊があれば困ることは少ないよ!
まとめ
さて、ここまで3冊を紹介してきました。正直この3冊は全て揃えることができれば他の書籍はいらないと言っても過言ではありません。科毎もっと専門的な書籍はたくさんありますが、専門が決まらないうちは全般的に学ぶことが重要です。是非参考にしていただいて、薬剤師スキルの向上に努めていってください!!
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