こんにちは!薬剤師ブロガーのてつんです。皆さんは病院でもらった処方箋をどこの薬局へ持っていくでしょうか?
今では薬局は全国どこの病院の処方箋も受け付けることができます。とはいってもほとんどの人は特に深く考えることなくクリニックに隣接する薬局やドラッグストアへ行くと思います。そこで今回はそれぞれのメリットを述べた上で私が考える薬局の選び方について記事にしていきます。
それでは張り切っていきましょう!!!
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初めに・・・「薬局の数はコンビニの数より多い」
厚生労働省のホームページによると全国の処方箋調剤を行う薬局の総数は2017年時点で59138店舗
一方で全国のコンビニ総数は56334店舗と薬局の数がコンビニを常に上回っています。
確かに、クリニックの近くには必ず調剤薬局がありますし、最近ではスーパードラッグストアといった食料品や日用品まで売っているドラッグストアが増えてきて、薬局数は年々増加傾向です。
このような薬局過多な状況は、患者が薬局を選択する時代へ進んできていることを示しています。
ちなみに薬局の数が増えていることは厚労省も問題視しているんだ。その結果国の方針が薬局の利益削減へ進み、倒産している個人薬局も少なくないよ!
確かに薬局って意識してみていると多いわね。私はいつも病院のすぐ近くにある薬局に寄って帰ることが多いわ。
患者さんが考える薬局選びで重要なポイントは?
- 病院から近い 42.9%
- 自宅から近い 27.8%
- 薬剤師・スタッフが丁寧 5.9%
- ポイントが貯まる 4.8%
- クレジットカードが使える 2.9%
- ドラッグストアが併設されている 2.2%
- 勤務先に近い 2.1%
- その他 10.5%(24時間営業、駐車場が広い、大手、バリアフリー対応など)
EPARKみんなのお薬箱によるアンケート結果より抜粋(n=730)
EPARKが実施したアンケートによると、70%の患者様は自宅や病院から近い薬局に足を運んでいることがわかります。次いで薬剤師及びスタッフの対応やポイントが貯まることが重視されているようです。
患者さんは①病院の近くの薬局 ②自宅近くの薬局 ③ドラッグストアの3つのどれかを選択してお薬をもらっている傾向がわかります。
もちろん①と③を兼ね備えた薬局もあるかと思いますが今回はこの3つに絞りたいと思います!
次はそれぞれのメリットについて見ていこう!
① 病院・クリニック隣接薬局
ほとんどの人が病院やクリニックの隣にある薬局へ処方箋を持って行っているのではないでしょうか?病院に受診したそのままの流れで隣の薬局へ寄って帰るという流れは今となっては当たり前の風景です。患者さんの中には「病院の隣の薬局でしか薬を出してもらえない」と思っている患者さんもまだいるのではないかと思います。
どこの病院にも近くに薬局ってあるわよね
では、どういった点がメリットなのか見ていきましょう。
メリット1:移動時間の短縮
病院の隣にある薬局は、何より移動が楽
最近では病院の徒歩圏内に薬局があるケースも多く、車や電車で移動することなくそのまま薬局へ寄って帰ることができます。タクシーで病院を受診する患者にとって近くに薬局があるとタクシーを待たせることもないため落ち着いて薬剤の説明を受けることができます。
病院に行ったその流れでそのまま薬局に寄れることが最大のメリットだね!
メリット2:豊富な在庫により待ち時間が短縮される
病院隣接薬局はその病院が使用する薬剤のほとんどが備蓄されている
現在、処方できる薬の数(薬価収載品目)は約16000程度あり、薬の全てを薬局で備蓄することは不可能です。
隣接する薬局では病院や医者の処方頻度の高い薬を優先的に確保しています。そのため、「薬の在庫がない」といった状況に陥ることが少ないことは大きなメリットであると思います。
薬局としては急に近くの病院以外のところから処方箋が来ると、薬が足りないかも!と内心ドキドキしてしまいます・・・
特に皮膚科の処方ではクリニック近くの薬局でもらう方がメリットが大きいです。
皮膚科の処方は2種類の塗り薬を混ぜることが多く、混ぜる薬の配分は医師により異なります。
病院の近くの薬局では、よく処方される配分で予め混ぜて調剤してあり、時間がかからないことが多いです。
さらに軟膏を混ぜる機械が導入されていることが多く、混ぜるのにそれほど時間がかかりません。
ちなみにこの機械1台定価で約100万円弱するよ・・・
一方で皮膚科が近くにない薬局では軟膏ベラと軟膏板を使用して手作業で軟膏を混ぜていることが多く、予想よりも多くの時間がかかってしまう場合があります。
メリット3:医師への提案が容易のため患者さんの声が反映されやすい
病院近くの薬局は薬剤師と医師の連携が密
患者さんにとってこの部分は非常に重要かもしれません。
正直薬剤師が見知らぬ医師へ疑義照会を行うことは薬剤師にとってもかなりストレスに感じます。
もちろん、それが薬剤師の仕事と言われればそれまでですが、薬剤師も人間なので1度も会ったことのない医師へ薬の提案をすることは大きなハードルとなります。
対して病院に隣接している薬局では医師と日々コミュニケーションをとっており、些細なことでも医師に相談ができる環境が整っていることが多いです。
そのため「実は湿布が欲しかったのよ」とか「飲み忘れが多いから実は1日1回の薬にしてほしかったの」といった患者さんの医師へ伝えきれなかった希望を薬剤師が躊躇なく医師へ伝達することができます。
患者の希望が叶うか叶わないかは医師次第ではありますが、薬剤師と医師との親密度が患者さんへのメリットへつながることは間違いありません。
お医者さんに伝え忘れたことを薬剤師さんから伝えてくれるのは嬉しいわ。診察って緊張して、言いたいことを忘れちゃうことも多いのよね。
医師に言えなかったことを薬局で伝えてくれる患者さんは実はとっても多いんだ。次は自宅に近い薬局で薬をもらうメリットを見ていこう!
② 自宅に近い薬局
近年コンビニよりも薬局の数は増えてきており、自宅の近くに調剤薬局がある人も多いのではないかと思います。自宅の近くの薬局で薬をもらうことにはいったいどんなメリットがあるのでしょうか?
メリット1:待ち時間の短縮
移動中にお薬を準備してもらえ、好きな時に薬を取りに行ける。
自宅に近い薬局で薬をもらう最大のメリットは待ち時間の短縮です。
薬局が混んでいた場合は処方箋を薬局に提出し後から取りに行くことができます。
さらにレストランの順番予約で有名なEPARKを利用すると病院の処方箋を薬局へ事前に画像として送信することができ、薬の準備を先回りして薬局にお願いすることができます。
サイトやアプリを使えない場合は病院やクリニックにお願いをすると好きな薬局へ処方箋をFAXしてくれることもあり、薬局へ移動している間に薬を準備してもらうことができます。
今後はマイナンバーカードを利用して処方内容を好きな薬局へ飛ばす時代が来ると思うよ!
メリット2:薬が足りない時もすぐ対応できる
薬局に在庫のない薬が処方された場合、取り寄せを行うとしても最低半日から1日時間がかかります。もし処方された薬が薬局になくても自宅に近い薬局であればすぐに取り寄せし、取りに行くことが容易なので薬を最短でもらうことができます。
メリット3:薬に対して気軽に相談ができる
薬剤師がより身近で薬のことならいつでも/なんでも相談できるパートナーになる
自宅近くの薬局で薬をもらうと、薬局の存在がグッと身近に感じるようになります。
定期的に薬をもらいに行く人なら尚更、毎回同じ薬局・薬剤師さんに対応してもらうと薬剤師との距離が縮まります。
薬についてわからないことやサプリメントについて、飲み合わせについて等日頃疑問に思ったことをふらっと薬局に立ち寄って聞くことができるのは大きなメリットです。
もちろん電話で薬局へ相談することもできますが、対面で話をすると新しい気付きがありますし、実際に薬を見ながら話をすることでより正確な情報を提示することができます。
身近に薬の専門家がいるのは心強いわ!!
薬局は多少入りにくい感じがするかもしれないけど、気軽に立ち寄ってほしいな!なんでも相談してね!
次はドラッグストアのメリットを見ていこう!
③ ドラッグストア
ドラッグストアは物凄い勢いで勢力を伸ばしてきています。近年では薬剤師のみならず管理栄養士も常駐しているドラッグストアも存在しており、薬剤以外にも食事療法まで相談できるように進化してきました。そんなドラッグストアで薬をもらうメリットを挙げていきたいと思います!
メリット1:待ち時間に買い物ができる
やっぱりドラッグストアの利点は買い物ができることです。病院帰りに買い物へ行く方々にとってドラッグストアは一石二鳥です。食品から日用品まで全て取り扱っているドラッグストアは子供の暇つぶしにも最適であり、子育てパパママに強い味方であること間違いなしでしょう。
メリット2:ポイント還元でお得
ドラッグストアでは処方箋の支払いにポイントがつく!!!
ポイントというワードはまさにパワーワードですね。ポイ活という言葉が流行っているように、家計改善には必須の項目です。ドラッグストアには処方箋の支払い時にポイントカードを提示することでドラッグストアのポイントをつけることができる店舗も多く存在しています。
さらに支払いをクレジットカードやPayPay等の決済を選択することでクレカポイントやPayPayボーナス等を獲得できるためポイントの2重取りが可能になっています。
特に働き盛りな世代は医療費が3割負担なので薬代だけでも高額になることも多く、ポイントがつくのはかなり大きいですよね。
ただ実はこのポイント制度はいつ無くなるかわからない制度です。
「保険調剤においては、調剤料や薬価が中医協における議論を経て公定されており、これについて、ポイントのような付加価値を薬局が独自に付与することは、医療保険制度上、ふさわしくないのではないか。」厚生労働省の資料より
「薬局が独自で処方箋にポイントを付与するのはフェアじゃないよね?」と議論されています。
実際厚生労働省は調剤一部負担金の1%以上のポイントを付与やポイント付与について大々的に宣伝することは禁止しています。そのためクレジットカード等のポイント2重取りは完全にグレーゾーンであり、いつ無くなってもおかしくありません。
正直なところ、個人経営や中規模の調剤薬局でポイント制度を導入してしまうと利益がかなり減ってしまいます。ドラッグストアは処方箋調剤のみではなく食品や日用品、OTC医薬品(処方箋なしで買える薬)を販売して大きく利益を出しているからこそ処方箋にもポイントをつけることができているんです。
ポイントの面ではどの薬局もドラッグストアに勝ることはできないんだ。
メリット3:OTC医薬品やサプリメントも豊富
ドラッグストアの薬剤師はOTC薬やサプリメントについて詳しい
OTC医薬品(処方箋なしで買える薬)やサプリメントも豊富に取り揃えているドラッグストアはまさに痒いところに手が届いています。
ドラッグストアでは「サプリメント気になるけど病院でもらっている薬との相性が気になる」「ついでにこの漢方も飲んでみたい!」といった薬に頼らない治療法についても検討できる点も大きなポイントです。
またドラッグストアで働いている薬剤師はOTC医薬品やサプリメントについてよく勉強している薬剤師が多く、病院に行かなくても症状に合った薬を提案してくれます。
絆創膏や冷えピタシートも購入できるし、なんでも買うことができるのは本当に助かるわ。
次は私が考える薬局選びのポイントを挙げていくよ!
てつんが思う最適な薬局の選び方5ヵ条
- 1 薬局は1〜2店舗に絞れ
- 2 メインの薬局はかかりつけ医に隣接する薬局
- 3 薬剤師は指定しろ
- 4 お得最優先ならドラッグストアでポイント2重取り
- 5 最後は薬剤師の人柄で選べ
薬局は1〜2店舗に絞れ
メインの薬局1店舗を決め、皮膚科は隣接する薬局へ
メイン薬局を絞ることで薬の飲み合わせ管理ができ、副作用の防止につながります。
ただ皮膚科の処方は皮膚科に隣接する薬局で薬をもらう方が時間の短縮にもなるし、豊富な在庫が揃っています。
さらに皮膚科は塗る順番や塗る場所、使い方が医師によって大きく異なることが多いです。
そのため医師と連携の取れている薬局の方が医師の意図を汲み取ってしっかり薬の使い方を指導してくれますし待ち時間が短くて済みます。
メインの薬局はかかりつけ医に隣接する薬局
医師と薬剤師がチームとなって連携し、より良い医療を!
かかりつけ医と良好な関係性を持つ薬局をメインにすることで自分の希望が通りやすく薬剤師と医師がよりチーム(一体)になって治療を進めていくことが可能です。
小さなことでも薬剤師に相談でき、医師へ薬剤師が報告できる関係性は患者の大きなメリットへとつながります!
薬剤師は指定しろ
かかりつけ薬剤師制度を利用してパートナー薬剤師を見つけよう!
話をよく聞いてくれる、自分のことを親身になって考えてくれる薬剤師に出会ったら指定するべき。
「かかりつけ薬剤師」という制度を利用すれば 1 回60円〜100円程度で薬剤師を指定できます!
かかりつけ薬剤師・薬局とは?(日本薬剤師会のサイトへ飛びます)
自分の薬についてを一任する専門家を1回100円で味方にできるのはメリットが大きいです!
24時間対応は正直しんどいですが患者さんのために頑張っています!
お得最優先ならドラッグストアでポイント2重取り
やはりポイントは絶大。生活を豊かにしてくれます!
ドラッグストアで信頼できる薬剤師に出会えたならば最高です!!
最後は薬剤師の人柄で選べ
薬剤師は薬の副作用から守ってくれる騎士。安心して相談できる薬剤師を選ぼう!
どの薬局を選ぶにしても重要なのは薬剤師の人柄。信頼できる薬剤師を見つけたならば迷わずその薬局をメインに通い、その薬剤師を自分のパートナーとして選びましょう!
まとめ
コンビニよりも数が増えている調剤薬局。薬局を利用する人がどの薬局を選ぶかは自身の健康を守るためにとても重要であり、信頼できる薬剤師を見つけることができれば自分の糧になることは間違いありません!
薬局は薬をもらうだけの場所ではなく人生のパートナーを見つける「専門家との出会いの場」なのかもしれませんね。
是非みなさんも自分に最適な薬局・薬剤師を見つけてみてください!この記事が誰かの役に立てれば嬉しいです!
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